キンセイトシノジョウタイトヒジョウタイ

近世都市の常態と非常態

人為的自然環境と災害
渡辺浩一/マシュー・デーヴィス 編
ISBN 978-4-585-22267-5 Cコード 3020
刊行年月 2020年2月 判型・製本 A5判・上製 240 頁
キーワード 文化史,社会学,西洋,世界史,日本史,江戸,近世

定価:7,700円
(本体 7,000円) ポイント:210pt

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書籍の詳細
自然と人間の相互関係を連環のなかに捉えかえす

災害という「非常態」の解明には、前提として当該期の人間社会の「常態」が如何なる状況にあったのかを把捉しておくことが必要である。
人間社会に不可欠である「水」に着目し、近世都市において、水がどのようなシステム・環境の元に制御され、
また、災害によりどのような変化・対応を強いられたのかを、学融合・比較という観点から解明。
人為的自然としての人間社会の動態のなかに災害を位置づけ、環境史研究の新たな方法論を模索する。

 

 

目次
目次・凡例

序 章 近世都市の常態と非常態 渡辺浩一

第一部 後背地と人為的自然環境
 第一章 江戸の水害と利根川・多摩川水系 渡辺浩一
 第二章 自然改造の結果としての都市空間・江戸 石神裕之
 第三章 嵐・洪水とロンドンの発展― 一三〇〇~一五〇〇年 マシュー・デーヴィス(金崎邦彦訳・石津美奈校閲)

第二部 インフラの機能と維持
 第四章 遺跡からみた都市江戸の上下水道の管理 石神裕之
 第五章 江戸城堀の浚渫について― 一七六五年(明和二)の岡山藩による堀浚を中心に 岩淵令治
 第六章 堀川の浚渫と土砂堆積、そして洪水―江戸、本所・深川の地域的特質 髙橋元貴
 第七章 ロンドンの川に橋を架ける―ロンドン橋の建設・維持とテムズ川の管理 ヴァネッサ・ハーディング(小風尚樹訳・木村晶子校閲)
 第八章 一七世紀ロンドンにおける大寒波の影響と市民の対応 菅原未宇

第三部 水害と対応
 第九章 一八五六年(安政三)東日本台風経路の復元 平野淳平・財城真寿美
 第一〇章 一八五六年(安政三)東日本台風の被害状況と江戸の対応 渡辺浩一
 第一一章 氾濫を防げ―一八世紀後半のプラハ(ボヘミア)における行政組織の洪水管理政策 オンドジェイ・フデチェク(長谷川祐平訳・春山雄紀校閲)
 
あとがき
執筆者・翻訳者・校閲者一覧
英文目次・序章英訳
奥付
プロフィール

渡辺浩一(わたなべ・こういち)
人間文化研究機構国文学研究資料館・総合研究大学院大学文化科学研究科教授。専門は日本近世史。
著書に『江戸水没 寛政改革の水害対策』(平凡社、2019年)などがある。

マシュー・デーヴィス(Matthew Davies)
ロンドン大学バーベック校教授。専門は近世ロンドン史。
著書にMedieval Merchants and Money(共編著、London, Institute of Historical Research, 2016年)などがある。

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