平川祐弘決定版著作集
セイヨウジンノシントウカン

西洋人の神道観

日本人のアイデンティティーを求めて
平川祐弘 著
ISBN 978-4-585-29416-0 Cコード 0095
刊行年月 2020年3月 判型・製本 A5判・上製 529 頁
キーワード 文化史,哲学,思想,西洋

定価:8,800円
(本体 8,000円) ポイント:240pt

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書籍の詳細

著者はハーン、クローデルなど外国人の神道理解の経緯を客観的に述べるが、同時に内外の読者に霊の日本を共感的に理解させようと語りかける。
この日本語版はパリ出版の原著の里帰りであるが、この上なく明晰で、鮮やかで、わかりやすい。

平川祐弘は日本理解の大切な手がかりとして「霊の世界」を認めたハーンを論じ、彼を魅了した ghostly Japan を「霊に満ち満ちた日本」という精妙かつふくよかな言葉で表現した。平川は内と外から日本を見つめ、その精神世界の中心を問い続ける。『源氏物語』の物の怪から、日本文学の尽きざる源泉として霊の存在があると説き、夢幻能に登場する死者の霊をダンテが見た『神曲』の夢まぼろしになぞらえる……(今泉宜子)。
本書はパリで出版されたS. Hirakawa, À la recherche de l’identité japonaise― le shintō interprété par les écrivains européens の増補日本語版だが、フランス的明晰とはこのことか。日本人のアイデンティティーとしての固有の宗教文化をこれほどすっきり納得させてくれる書物は稀である。蓮如賞受賞。

 

 

目次
西洋人の神道観―日本人のアイデンティティーを求めて
日本語版のはじめに
話の前に  教養学士の遍歴、比較研究者の閲歴―アイデンティティーを求めるとはいかなることか
第一話  明治初年の民法論争―フュステル・ド・クーランジュ『古代都市』を介しての日本発見
第二話  祭りの踊り―ロティの異国趣味の日本とハーンの霊の日本
第三話  死者崇拝と祖先崇拝
―アラン、フュステル・ド・クーランジュ・穂積陳重・ハーン
第四話  ハーンとクローデルの日本の宗教発見―地蔵、地震、杉並木、神道
第五話  富士山 ―山部赤人、ハーン、明治天皇、市丸利之助、クローデル
第六話  漢文化と日本人のアイデンティティー―白楽天の受容を通して
第七話  樹に霊はあるのか―ハーンのマルティニーク体験と日本体験
第八話  宗教の混淆―信仰は俗信の中にも生き続ける
第九話  グロバリゼーションと表裏をなすクレオリゼーション―ハーンの先駆的考察の今日的意味
第十話  神道の行方―英語化する地球社会の中で
第十一話 皇后さまの祈り―『昭憲皇太后御集』をひもといて

付録一 御神木が倒れた日
付録二 ラフカディオ・ハーンと神道
付録三 神道とは何か―小泉八雲のみた神の国、日本 What is Shintō? Japan, a country of gods, as seen by Lafcadio Hearn
付録四   『夢幻能さくら』


解説 松居竜五
平川祐弘先生と私たちの長いおつきあい 渡邊真美
ハーンを交えて議論してみたいこと 西成彦
著作集『西洋人の神道観』に寄せて―一日本人比較研究者の神道観と『神曲』観 平川祐弘
プロフィール

著者はハーン、クローデルなど外国人の神道理解の経緯を客観的に述べるが、同時に内外の読者に霊の日本を共感的に理解させようと語りかける。
この日本語版はパリ出版の原著の里帰りであるが、この上なく明晰で、鮮やかで、わかりやすい。

平川祐弘は日本理解の大切な手がかりとして「霊の世界」を認めたハーンを論じ、彼を魅了した ghostly Japan を「霊に満ち満ちた日本」という精妙かつふくよかな言葉で表現した。平川は内と外から日本を見つめ、その精神世界の中心を問い続ける。『源氏物語』の物の怪から、日本文学の尽きざる源泉として霊の存在があると説き、夢幻能に登場する死者の霊をダンテが見た『神曲』の夢まぼろしになぞらえる……(今泉宜子)。
本書はパリで出版されたS. Hirakawa, À la recherche de l’identité japonaise― le shintō interprété par les écrivains européens の増補日本語版だが、フランス的明晰とはこのことか。日本人のアイデンティティーとしての固有の宗教文化をこれほどすっきり納得させてくれる書物は稀である。蓮如賞受賞。

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