平川祐弘決定版著作集
ヒガシノジセイカントニシノソウゾウカン

東の自生観と西の創造観

平川祐弘 著
ISBN 978-4-585-29428-3 Cコード 0095
刊行年月 2020年3月 判型・製本 A5判・上製 1106 頁
キーワード 文化史,思想,西洋

定価:15,400円
(本体 14,000円) ポイント:420pt

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書籍の詳細

ケンブリッジの『日本史』でJapan’s turn to the Westを論じた平川祐弘はどうして中国人学生に中村正直の話をしたのか。戦暁梅はいう「幕末最高の儒学者の格調高い漢文は中国人に親しみやすい。古代中国から近代西洋へと日本の文明モデルの転換の説明に中村のSelf-Helpの翻訳は格好な素材である。しかしその講義でもっとも衝撃的な内容は日中両国における「自由」の運命だ。平川先生が自らの研究をもって私たち中国学生へ送った挑戦状にさえ感じられる」
本巻は「日本の西洋化」を論じた巻頭のこの歴史論文と、「東の自生論と西の創造論」という比較文化論と、東西文化に足をおろした「二本足の人、森鷗外」と、「東の橘 西のオレンジ」などの随筆、「西洋の詩 東洋の詩」など東西両洋に跨る比較史学と比較詩学が織りなす見事な一巻となっている。

 

 

目次
第一部 日本の西洋化―古代中国から近代西洋へ―明治日本における文明モデルの転換
第二部 東の自生観と西の創造観
第三部 二本足の人、森鷗外
第四部 東の橘 西のオレンジ
第五部 イタリア
第六部 西洋の詩 東洋の詩
第七部 画家

平川先生との出会いと再会 安達淳
あの頃といま 尾川俊宏
『東の自生観と西の創造観』に寄せて―林檎の詩人と北方ロマンチシズム 平川祐弘
索引
プロフィール

平川祐弘(ひらかわ・すけひろ)
1931(昭和6)年生まれ。東京大学名誉教授。比較文化史家。第一高等学校一年を経て東京大学教養学部教養学科卒業。仏、独、英、伊に留学し、東京大学教養学部に勤務。1992年定年退官。その前後、北米、フランス、中国、台湾などでも教壇に立つ。
ダンテ『神曲』の翻訳で河出文化賞(1967年)、『小泉八雲―西洋脱出の夢』『東の橘 西のオレンジ』でサントリー学芸賞(1981年)、マンゾーニ『いいなづけ』の翻訳で読売文学賞(1991年)、鷗外・漱石・諭吉などの明治日本の研究で明治村賞(1998年)、『ラフカディオ・ハーン―植民地化・キリスト教化・文明開化』で和辻哲郎文化賞(2005年)、『アーサー・ウェイリー―『源氏物語』の翻訳者』で日本エッセイスト・クラブ賞(2009年)、『西洋人の神道観―日本人のアイデンティティーを求めて』で蓮如賞(2015年)を受賞。
『ルネサンスの詩』『和魂洋才の系譜』以下の著書は本著作集に収録。他に翻訳として小泉八雲『心』『骨董・怪談』、ボッカッチョ『デカメロン』、マンゾーニ『いいなづけ』、英語で書かれた主著にJapan's Love-hate Relationship With The West(Global Oriental, 後にBrill)、またフランス語で書かれた著書にA la recherche de l'identité japonaise-le shintō interprété par les écrivains européens(L'Harmattan)などがある。

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