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声の歌が文字化されたのはいつからだろうか。また、文字との出会いによって声の歌はどう変化したのだろうか。日本古代の『古事記』や『万葉集』、近世琉球の『おもろさうし』、中国少数民族の歌垣など、東アジアの様々な時代・地域・民族において創作されてきた歌表現の文字資料・伝承記録を、文学・民俗学・文化人類学の分野から検討し、声と文字との共存・影響関係、豊かな歌文化の諸相を明らかにする。
真下厚(ましも・あつし)元立命館大学教授。専門は日本古代文学・民俗学。主な著書に『声の神話 奄美・沖縄の島じまから』(瑞木書房、2003年)、『万葉歌生成論』(三弥井書店、2004年)、『歌を掛け合う人々 東アジアの歌文化』(共著、三弥井書店、2017年)などがある。遠藤耕太郎(えんどう・こうたろう)共立女子大学文芸学部教授、一般社団法人アジア民族文化学会代表理事。専門は日本古代文学と中国少数民族文化。主な著書に『モソ人母系社会の歌世界調査記録』(大修館書店、2003年)、『古代の歌―アジアの歌文化と日本古代文学』(瑞木書房、2009年)、『万葉集の起源―東アジアに息づく抒情の系譜』(中公新書、2020年)などがある。波照間永吉(はてるま・えいきち)名桜大学大学院国際地域文化研究科(後期博士課程)。専門は歌謡呪。主な編著書に『沖縄古語大辞典』(共編著、角川書店、1995年)、『定本琉球国由来記』(外間守善と共編著、角川書店、1997年)、『定本 おもろさうし』(外間守善と共編著、角川書店、2002年)、『鎌倉芳太郎資料集 ノート篇』全四巻(編著〈第三巻のみ麻生伸一と共編〉、沖縄県立芸術大学附属研究所、2004~2016年)、『南島祭祀歌謡の研究』(砂子屋書房、1999年)などがある。
★書評・紹介★「沖縄タイムス」(2021年5月22日、読書面)に書評が掲載されました。 →評者:西岡敏氏(沖縄国際大学教授)