アジア遊学276
ムラトミンシュウノセンゴクジダイシ

村と民衆の戦国時代史

藤木久志の歴史学
稲葉継陽・清水克行 編
ISBN 978-4-585-32522-2 Cコード 1321
刊行年月 2022年10月 判型・製本 A5判・並製 272 頁
キーワード 民俗学,日本史,戦国時代,近世,中世

定価:3,300円
(本体 3,000円) ポイント:90pt

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書籍の詳細

「貫高制」「六斎市」「撰銭令」「石山合戦」「刀狩り」「惣無事令」「海賊取締令」……。
現在の私たちが考える戦国時代のイメージや研究の通説の根幹を、斬新な分析視角により描き出した歴史家・藤木久志(1933〜2019)。
「村と民衆」「在地法と平和」という二つの柱から、それまでの中世史・近世史像を一変させた藤木久志の研究と人物は、いかなる史学史的位置づけを有するのか―。 日本史のみならず、民俗学・環境史・文学・西洋史など、諸学との交差のなかで展開した藤木史学の軌跡を多角的に検討、藤木久志が見据えようとした歴史像とその学的視座の継承のためのバトンをつなぐ。

 

 

目次
はじめに 稲葉継陽・清水克行
藤木久志略歴・藤木久志著作一覧

第一部 村と平和―藤木史学が描き出した世界
藤木史学から今何を学ぶのか 久留島典子
一向一揆に映る民衆世界―藤木久志の一向一揆論 神田千里
ふたつの戦国時代像―藤木久志と勝俣鎭夫の学説をめぐって 清水克行
藤木久志氏の戦国大名論 池享
藤木先生との思い出と藤木城郭論の未来へ 八巻孝夫
戦国・織豊期停戦令の系譜―秀吉はどのように戦国を終わらせたのか 則竹雄一
新たな刀狩り論へ 武井弘一
藤木史学における村と平和―戦後思想との関係で 稲葉継陽

第二部 人柄と交流―同時代の証言から
インタビュー「自力の村」論の成り立ちに学んで 入間田宣夫
藤木久志先生と一緒に生きた時代 渡邊勲
「市民一揆のシンポジウム」から「領主のつとめ」論へ 木越隆三
在野の歴史愛好家のみた藤木久志先生 藤本正行
鼎談 追憶と継承―藤木史学の展開と教育 蔵持重裕・稲葉継陽・清水克行

第三部 諸分野との交差―災害史・地域調査・民俗学・文学・西洋史
藤木久志の災害史研究を考える 保立道久
藤木史学における地域調査の実践―長岡市史の事例を中心に 小熊博史
藤木久志の「自力の村」と民俗 福田アジオ
生け贄・身代わり・解死人―藤木史学についての方法的な覚書 赤坂憲雄
戦国の藤木史学を往く―文学研究の小徯から 小峯和明
『豊臣平和令』の彼方へ―西洋中・近世史学からの回顧と展望 佐藤公美
プロフィール

稲葉継陽(いなば・つぐはる)
熊本大学教授。専門は日本中世史・近世史。
主な著書に『戦国時代の荘園制と村落』(校倉書房、1998年)、『日本近世社会形成史論』(校倉書房、2009年)、『歴史にいまを読む』(熊日新書、2020年)などがある。

清水克行(しみず・かつゆき)
明治大学商学部教授。専門は日本中世史。
主な著書に『喧嘩両成敗の誕生』(講談社、2006年)、『戦国大名と分国法』(岩波書店、2018年)、『室町社会史論』(同、2021年)などがある。

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