チホウシシカラセカイシヘ

地方史誌から世界史へ

比較地方史誌学の射程
小二田章 編
ISBN 978-4-585-32028-9 Cコード 3020
刊行年月 2023年6月 判型・製本 A5判・上製 336 頁
キーワード 書物史,東アジア,アジア,世界史,日本史

定価:8,800円
(本体 8,000円) ポイント:240pt

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書籍の詳細
「地方史誌」の比較検討から世界史を描く

地方を歴史的に描く総合的書物、「地方史誌」。
これらの書物は、世界的に存在し、歴史の産物として、それぞれの地域・国家のアイデンティティと強固に結びつき、伝えられてきた。
「ある地方(地域)を描くこと」という人間の普遍的営みに着目し、各地域の地方史誌形成・再解釈における歴史的展開を検討・比較。
地域・領域を越えて、相互の関係性を検討するための視角を提示する画期的な一書。

 

 

目次
序論 地方史誌学宣言 小二田章

1.地方史誌の黎明
風土記から見えるもの―古代日本における地域意識 兼岡理恵
ムスリムたちによるアラビア語地方史誌の色々 森山央朗
中国史上における地方志編纂の夜明け―北宋から南宋へ 須江隆

2.地方史誌の展開
「重立清浄寺記」に見るモンゴル時代泉州の多元主義 向正樹
前近代のヨーロッパに「地方史誌」を探る―ルネサンス期フランドルの歴史叙述をめぐって 青谷秀紀
朝鮮近世の地方/地域と住民たち 吉田光男
日本近世の歴史意識 原淳一郎
ベトナム地方誌の編纂史について―漢喃研究院所蔵資料を中心に グエン・ティ・オワイン

3.地方史誌と近代
「地方史」の編み方、読み方、伝え方―19世紀ドイツの場合 小原淳
明治前期日本の地方史誌編纂 佐藤大悟
近代中国における郷土の叙述法―江蘇南匯『二区旧五団郷志』にみる歴史意識 佐藤仁史

4.地方史誌を考える
Books in China Databaseと中国地方志の理解と活用のための新しいアプローチ―マックス・プランク科学史研究所の地方志研究グループの活動紹介 ジョセフ・デニス
近五年における中国方志学の研究動向 巴兆祥
日本地方史誌研究史のこころみ―巴論文へのコメントとともに 白井哲哉

編集後記 小二田章
Summary
執筆者一覧
プロフィール

小二田 章(こにた・あきら)
1979年生まれ。昭和女子大学人間文化学部歴史文化学科特命准教授。専門は近世中国史、宋代以降の地方志編纂、東アジアの地方史誌。
著書・論文に「『咸淳臨安志』の位置―南宋末期杭州の地方志編纂」(『中国―社会と文化』第28号、2013年)、『書物のなかの近世国家―東アジア「一統志」の時代』(共編、勉誠出版、2021年)、「「地方史誌」研究事始―近世日本の比較検討から」(『史観』第186冊、2021年)などがある。

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