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江戸時代後期に二宮尊徳が小田原藩領で実施した農村復興・財政再建政策=「報徳仕法」。その着手から撤廃に至る過程と政策の実態を、各地に伝わる古文書や尊徳自筆の日記・手紙などの一次史料から明らかにする。農村改革と藩政の展開、農民や指導者によるネットワークの形成など、地域社会の変革を多面的に考察し、近世社会の特質と尊徳の実像に迫る。
松尾公就(まつお・きみなり)1955年長野県生まれ。1983年立正大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。報徳博物館学芸員、立正大学・成城大学非常勤講師を経て、現在昭和館図書情報部長。専門は日本近世史。論文に「幕末期の開発訴願運動」(北原進編『近世における地域支配と文化』大河書房、2003年)、「二宮金次郎像の変遷と「応召(徴)」」(昭和館編『昭和のくらし研究』4、2006年3月)、「尊徳仕法にみる「分度」再検討」(『小田原地方史研究』27、2014年5月)など。