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日本文学史に燦然と輝くこの類まれなる作品は、如何にして出来したのであろうか。中世びとの「心」をめぐる意識を和歌そして仏教の世界にたどり、『源氏物語』『枕草子』などの古典散文との照応から、〈やまとことば〉による表現史を描きだす。
荒木浩(あらき・ひろし)1959年生まれ。京都大学文学部卒、同大学院博士後期課程中退。京都大学博士(文学)。大阪大学教授などを経て、現在国際日本文化研究センター教授・総合研究大学院大学教授。著書に、『日本文学 二重の顔―〈成る〉ことの詩学へ』(大阪大学出版会、2007年)、『説話集の構想と意匠―今昔物語集の成立と前後』(勉誠出版、2012年)、『かくして「源氏物語」が誕生する―物語が流動する現場にどう立ち会うか』(笠間書院、2014年)などがある。