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近代以降の神話は、それ自体が単に固有の宗教的伝統や民族性を語る重要性を持つのみならず、あらたに創作される文学の淵源として、つねに今日的な語りと関連づけて参照され、地域・時代に限定されない(あるいは、意図的に限定された)意義を持ちうる概念へと発展していった。整備され、「神話体系」からこぼれ落ちたり、意図してこれに対抗的に利用されたり、「ネイション」の神話と同時に重層的に信じられていたりしたような、広義の「神話」が持つ社会的意義を、その成立過程・創作過程から改めて評価する。
植朗子(うえ・あきこ)神戸大学国際文化学研究推進センター協力研究員、京都府立大学文学部共同研究員。専門はドイツ文学、比較伝承文学。。主な著書・論文に『『ドイツ伝説集』のコスモロジー―配列・エレメント・モティーフ』(鳥影社 、2013年)、「『ドイツ伝説集』における神話的樹木と〈人間が生る木〉伝承」(日本独文学会『ドイツ文学』148号、2014年)、「ドイツ民間伝承における樹木と泉をめぐる霊的存在―レアンダー・ペッツォルトの伝説分類と樹木霊Baumgeist」(ゲルマニスティネンの会『Flaschenpost』36号、2015年)などがある。南郷晃子(なんごう・こうこ)神戸大学国際文化学研究科・国際文化学研究推進センター学術研究員。専門は近世説話・伝承。主な論文に「『本朝故事因縁集』をめぐる考察―周防国を中心として」(東京大学国語国文学会『国語と国文学』平成24年12月号、明治書院、2012年)、「「おさご」伝承の考察―近世期における「御家」意識と伝承の変容」(『説話・伝承学』22号、2014年)、「フロイス『日本史』にみる宣教師への悪口」(神戸大学国際文化学研究科国際文化学研究推進センター『二〇一五年度研究報告書』2015年)などがある。清川祥恵(きよかわ・さちえ)神戸大学国際文化学研究推進センター協力研究員、同志社大学・大阪市立大学非常勤講師。専門はヴィクトリア時代の英文学、中世主義。主な論文に「民衆の聖堂―ウィリアム・モリスの中世主義思想」(『ヴィクトリア朝文化研究』第9号、日本ヴィクトリア朝文化研究学会、2011年)、「ウィリアム・モリスの『希望の巡礼者』における「詩人」と「夢」」(『関西英文学研究』第6号(『英文学研究 支部統合号』5号)、日本英文学会関西支部、2013年)、「アーサー王の「転倒」―ヴィクトリア時代以降の「神話」の大衆化に関する一考察」(『国際文化学研究推進センター二〇一五年度研究報告書』、国際文化学研究推進センター、2016年)などがある。
★広告情報・「朝日新聞」(2018年10月6日)に全5段広告を掲載しました。・「朝日新聞」(2018年11月17日)に全5段広告を掲載しました。