アジア遊学231
チュウゴクウンナンノショショウブンカ

中国雲南の書承文化

記録・保存・継承
山田敦士 編
ISBN 978-4-585-22697-0 Cコード 1322
刊行年月 2019年3月 判型・製本 A5判・並製 224 頁
キーワード 言語,中国

定価:3,080円
(本体 2,800円) ポイント:84pt

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書籍の詳細
文字とテクストからみる雲南の歴史と現在、未来

中国雲南地域は、 中華世界、チベット世界、東南アジア世界の交差する場所に位置し、インド系文字、チベット系文字、漢字、ラテン文字、イ文字やトンパ文字などの多様な文字表記とテクスト、それに基づく豊かな書承文化を発達させてきた。
これらのテクストには、記録物としての価値のみならず、 出版や保存、継承など、人間の社会活動そのものとしての側面がある。
本書では、こうした書承文化に焦点をあて、地域の歴史や文化の多様性・重層性のあり様を解明する。

 

 

目次
総論 雲南と書承文化 山田敦士

Ⅰ 少数民族の書承文化
ナシ族におけるテクスト―その形成と背景 黒澤直道
ナシ族歴史史料―非漢文史料から見えてくるもの 山田勅之
彝語・彝文の辞書について 清水享
徳宏タイ族社会における詩的オラリティの伝承活動―女性詩師ワン・シャンヤーの取り組み 伊藤悟
文字がもたらす権威の行方―中国雲南におけるラフ文字創設と口承文化の関わり 堀江未央
滄源ワ族自治県における書承文化―無文字社会における文字表記とテクストのゆくえ 山田敦士
大理白族の白文の形成とその用途 立石謙次
イスラーム教育におけるテクストの変容―回族の民族・宗教性の変化との関係から 奈良雅史
フォークロア概念の終焉―雲南ハニ族の伝承/伝統的知識と柳田国男 稲村務

Ⅱ 東南アジア・中華世界とのつながり
タイにおけるミエンの歌謡テクストと歌謡言語 吉野晃
雲南・四川南部の漢族・非漢民族の漢字文芸と文字信仰―中華圏周辺部の対聯・惜字炉「字庫塔」 川野明正
雲南下層社会への漢字リテラシーの普及―明清時代を中心として 西川和孝
民間文書の収集保存と地域資源化―貴州省東南部錦屏県における清水江文書 相原佳之
コラム◎シェンケーン文書―西北ラオスにおけるタム文字の使用 飯島明子
コラム◎イ族支配階層の漢文化適応 野本敬
プロフィール

山田敦士(やまだ・あつし)
日本医療大学保健医療学部・准教授。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同研究員。専門は言語人類学。
主な著書・論文に『スガンリの記憶―中国雲南省ワ族の口頭伝承』(雄山閣、2009年)、Parauk Wa folktales:佤族(巴绕克)的民间故事(ILCAA、2007年)、「山地民にとっての文字:中国雲南省ワ族の事例から」(クリスチャン・ダニエルス編『東南アジア大陸部山地民の歴史と文化』、言叢社、2014年)などがある。

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