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文学・歴史に関する資料の研究は、近年進展が著しい理工学の研究方法を導入して、大きな変化の節目を迎えつつある。そこには文学・史学で個別に蓄積してきた資料への知見の垣根を超える新地平が広がっている。電子顕微鏡調査、クラスター分析などの理工学的手法を利用した研究、文学・史学・美学の枠組みを飛び越える新たな資料論など、諸学の交差領域である合戦図・軍記を中心に、最先端の研究状況とこれからの課題を指し示す画期的成果。
井上泰至(いのうえ・やすし)防衛大学校教授。専門は日本近世文学。主な著書に『近世刊行軍書論』(笠間書院、2014年)、『近世日本の歴史叙述と対外意識』(編著、勉誠出版、2016年)、『関ケ原はいかに語られたか』(編著、勉誠出版、2017年)、『関ヶ原合戦を読む―慶長軍記 翻刻・解説』(勉誠出版、2018年)などがある。