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関ヶ原の戦いとは慶長五年九月十五日の合戦のみをさすものではなく、秀吉政権後の体制を巡り、全国各地で石田方・徳川方に別れて行われたいくさのことである。この戦いのイメージは、文学・演劇・屏風・絵巻など様々なメディアによって表象され、伝えられてきた。歴史学と文学研究の成果を踏まえ、虚像(文学および美術)を中心に武将の銘々伝的アプローチを行い、この多様な語りの諸相を整理し、関ヶ原の戦いのイメージの形成過程を明らかにする。
井上泰至(いのうえ・やすし)防衛大学校教授。専門は日本近世文学。主な著書に『近世刊行軍書論』(笠間書院、2014年)、『近世日本の歴史叙述と対外意識』(編著、勉誠出版、2016年)などがある。
◆正誤表ファイルは以下からダウンロードできます。『関ヶ原はいかに語られたか』正誤表
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