ソレデモトウジョウヒデキハタイヘイヨウセンソウヲエランダ

それでも東條英機は太平洋戦争を選んだ

昭和天皇が信頼した男の正体
鈴木荘一 著
ISBN 978-4-585-22226-2 Cコード 0020
刊行年月 2018年11月 判型・製本 新書判・並製 256 頁
キーワード 戦争,日本史,昭和,近現代

定価:880円
(本体 800円) ポイント:24pt

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書籍の詳細

東條は、憲兵を駆使し人事権を弄し、自分に反対する者を戦死必至の激戦場へ送るなど多くの反対を押し切って支那事変と太平洋戦争を推進し、日本は無条件降伏に至った。
東條の軍事思想は、「支那を一撃し、ドイツと連携して、ソ連・米・英等と戦う集団国防主義を推進する。支那事変の根本的解決のため、支那を支援する米英との戦争を決意すべし」との強硬論である。
東條は九段軍人会館で持論を豪語して新聞に「東條次官、断固たる決意で二正面作戦を準備」と喧伝され、日支和平努力をぶち壊し、この後、支那・英米との無謀な二正面作戦に突入した。

 

 

目次
まえがき             

第一章 政党政治に順応した日本陸軍            
「憲政の常道」の確立
第一次若槻内閣は台湾銀行救済に失敗して総辞職
宇垣軍縮による陸軍航空隊の創設
内政を重視した田中義一内閣の瓦解
立憲政党政治へ努力を重ねた日本陸軍

第二章 陸軍四派閥の並立            
陸大閥の発生
第二次若槻内閣における満州事変
集団国防主義を目指す統制派のリーダー永田鉄山の「永田構想」
永田鉄山の集団国防主義に対抗した真崎甚三郎・青年将校の一国国防主義
日本陸軍の正統的後継者としての皇道派将校
荒木貞夫中佐の沙河会戦
皇道派の対支不戦論VS統制派の対支一撃論

第三章 皇道派と統制派の抗争としての二・二六事件           
陸軍三長官の鼎立による陸軍統一への試み
真崎甚三郎参謀次長による満州事変の終息
統制派の領袖永田鉄山軍務局長VS皇道派真崎甚三郎教育総監の対立
永田鉄山が真崎甚三郎の追い落としを策した陸軍士官学校事件
永田鉄山が閑院宮参謀総長を使嗾して真崎甚三郎教育総監を罷免
昭和天皇の事実誤認
相沢三郎中佐が永田鉄山軍務局長を斬殺
統制派と皇道派の国家改造論の相違
二・二六事件における昭和天皇の断固鎮圧方針
決起将校の肉声
決起将校磯田浅一と村中孝次

第四章 統制派の支配下にあった広田弘毅内閣と林銑十郎内閣           
統制派の武藤章・東條英機が台頭
統制派の支配下にあった広田内閣における軍部大臣現役武官制復活と日独防共協定
腹切り問答による広田内閣総辞職
統制派が擁立した林銑十郎内閣 

第五章 支那事変の和平努力を潰した東條英機 
石原莞爾は盧溝橋事件に不拡大方針をとった
上海戦に際し石原莞爾は在留邦人の引揚げを主張
石原莞爾のトラウトマン和平工作を広田外相が潰した
継戦派の陸相杉山元と外相広田弘毅を更迭
東條英機が宇垣外相の宇垣和平工作も影佐大佐の汪兆銘和平工作も潰した

第六章 包囲された日本
平沼騏一郎内閣におけるノモンハン事件
阿部信行内閣は第二次世界大戦への不介入方針を堅持
米内光政内閣のときアメリカはオレンジ計画を発動し真珠湾へ進出


第七章 松岡外相が三国同盟に固執し日米諒解案を潰す 
第二次近衛内閣における三国同盟を巡る論争
陸軍最強硬派東條英機の主張
三国同盟の締結
ルーズベルト大統領は昭和十六年一月にオレンジ計画発動を決断
日ソ中立条約の締結
日米諒解案という日米協調への最後の試み
独ソ戦の勃発
第二次近衛内閣は松岡外相を更迭する目的で総辞職

第八章 東條陸相の支那撤兵拒否により第三次近衛内閣において日米交渉決裂 
在米日本資産凍結と南部仏印進駐
南シナ海の地政学
アメリカの海軍大学と日本の陸軍大学の学力格差
対日石油禁輸の衝撃
ルーズベルトは近衛首相の首脳会談提案を拒否
東條陸相が支那からの陸軍撤兵を拒否
敗戦必至の二正面作戦
対米戦への試論

第九章 東條英機の太平洋戦争
東條内閣の発足
白紙還元の御諚と仏印からの撤兵案としての甲案・乙案
ハル・ノート
日米開戦
インパール作戦の真実

主な参考文献
プロフィール

鈴木荘一(すずき・そういち)
近代史研究家。昭和23年生まれ。昭和46年東京大学経済学部卒業後、日本興業銀行にて審査、産業調査、融資、資金業務などに携わる。とくに企業審査、経済・産業調査に詳しく、その的確な分析力には定評がある。平成13年日本興業銀行を退社し、以後歴史研究に専念、「幕末史を見直す会」代表として、現代政治経済と歴史の融合的な研究や執筆活動などを行っている。
主な著書に、『明治維新の正体』(毎日ワンズ)、『日露戦争と日本人』(かんき出版)、『日本征服を狙ったアメリカのオレンジ計画と大正天皇』(かんき出版)、『アメリカの罠に嵌った太平洋戦争』(自由社)、『究極の敗戦利得者日本外務省が隠蔽する 満州建国の真実―軍事の天才石原莞爾の野望と挫折』『日中戦争はスターリンが仕組んだ』『幕末会津藩 松平容保の慟哭』『幕末の天才 徳川慶喜の孤独』(勉誠出版)など。

書評・関連書等

★広告情報
・「朝日新聞」(2018年11月17日)に全5段広告を掲載しました。
・「読売新聞」(2018年11月19日)にサンヤツ広告を掲載しました。
・「産経新聞」(2018年11月26日)に5段1/2広告を掲載しました。
・「産経新聞」(2019年1月22日)に5段1/2広告を掲載しました。
・「産経新聞」(2019年2月21日)に5段1/2広告を掲載しました。

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