ドウセイアイブンガクノケイフ

同性愛文学の系譜

日本近現代文学におけるLGBT以前/以後
伊藤氏貴 著
ISBN 978-4-585-29191-6 Cコード 0095
刊行年月 2020年2月 判型・製本 四六判・上製 288 頁
キーワード 評論,近現代

定価:3,080円
(本体 2,800円) ポイント:84pt

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書籍の詳細

「同性愛文学」の系譜を辿る―
近代以降、同性愛は文学の中でどのように表現されてきたのだろうか?
BL、百合という文脈で語られると共に、一方でLGBTQを考えるための文学としても着目されている同性愛文学。
森鷗外、三島由紀夫、田村俊子、吉屋信子ら近代文学の作家から、松浦理英子、吉田修一、山崎ナオコーラ、村田沙耶香、綿矢りさら現在進行形の作家まで紹介し、明治から平成までの文学史の一側面に光を当てた一冊。

 

 

目次
はじめに 同性愛をめぐる二つの「自由」

序章 問題と方法―日本の同性愛文学と「LGBT」
1 立場と方法
2 「LGBT」「SOGI」について
3 「同性愛」「同性愛者」について
4 「文学」の問題

第一章 「同性愛者」以前
1 《行為》・《趣味》・《主義》としての〈自由〉
2 《通過儀礼》としての同性愛
3 《病》としての同性愛

第二章 「同性愛者」の誕生―三島由紀夫という分水嶺とその後
1 「同性愛者」という《種》の誕生
2 《種》への抵抗と《種》としての抵抗
3 同性愛文学の未来

第三章 女性同性愛の文学
1 レスボス島のサッフォーはレズビアンだったか
2 政治の季節
3 「性」の萌芽と抑圧
4 聖域としての「エス」
5 塀の外へ―性的放縦?
6 抑圧を超えて
7 結婚―解放あるいは新たな抑圧

第四章 間奏 稲垣足穂と森茉莉―二つの抽象
1 稲垣足穂―「抽象的感覚」という逆説
2 森茉莉

第五章 同性愛文学の現在、あるいは「同性愛者」後の同性愛文学の可能性について
1 三つの、しかし一つの可能性
2 告白の暴力性と名づけの回避―坂上秋成
3 意識の彼方へ―加藤秀行
4 恋愛にも性にも依らない関係性―山崎ナオコーラ
5 恋愛の外の一過性同性愛―吉本ばなな
6 亡びの女預言者―村田沙耶香
7 同性愛文学の将来

終章 新たな「自由」へ

おわりに

年表
引用文献一覧
プロフィール

伊藤氏貴(いとう・うじたか)
1968年生まれ。文藝評論家。明治大学文学部准教授。麻布中学校・高等学校卒業後、早稲田大学第一文学部を経て日本大学大学院藝術学研究科修了。博士(藝術学)。2002年に「他者の在処」で群像新人文学賞(評論部門)受賞。
著書に、『奇跡の教室』(小学館)、『美の日本』(明治大学出版会)がある。

書評・関連書等

★書評・紹介★
・「読売新聞」 (2020年2月25日)の「文芸月評」にて、本書の紹介文が掲載されました。
・「週刊金曜日」 (2020年4月3日)にて、本書の書評が掲載されました。(評者:高原到(批評家))
・「東京新聞」 (2020年5月3日)の「新刊案内」に、本書の紹介文が掲載されました。

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