中国をはじめとする東アジアの文明の歴史において重要な役割を果たし、かつては東アジアの人々にとって最も重要な価値観、行動規範であった、「孝」という思想と文化。
東アジア各国において伝承された「孝」は、歴史や文化的背景によって異なり、様々な形で表象されてきた。
考古学の文物や文献および敦煌の文書などの重要な一次資料にはどのような形で残されてきたのか。
孝の文化は仏教とどのように融合して、変化したのか。
また、日本の説話、和歌、謡曲、絵画などではどのように表現されてきたのか。
社会史、思想史、文学史、美術史など多領域に散見される「孝」という文化が、長い歴史の中で果たしてきた役割を客観的に認識し、学際的な視点から考察する。