ワヨウトカラヨウノケンチクシガクシ

和様と唐様の建築史学史

野村俊一 編
ISBN 978-4-585-35004-0 Cコード 3052
刊行年月 2025年7月 判型・製本 A5判・並製 544 頁
キーワード 建築,仏教,中世

定価:8,800円
(本体 8,000円) ポイント:240pt

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書籍の詳細
建築の様式を、問い直す

「和様」「大仏様」「禅宗様」――中世日本建築を理解するうえで自明とされてきた様式概念だ。しかしその枠組みは、数多の建築がもつ固有の歴史や多層的な意味を、はたして十全に捉えきれているだろうか。そもそも「和様」とは何か。「禅宗様」という言葉が取りこぼすものは何か。
本書は、建築史学の根幹をなすこの問いへ、多角的かつ学際的な視点から肉薄する。第一部では、曖昧さのなかにあった「和様」の系譜を丹念に辿り、その全体像を再編する。第二部では、固定観念と化した「禅宗様」を解きほぐし、その内部に潜む「唐様」の痕跡を探る。二つの討議を中心に、多彩な論考と視点が思考の固定化を打ち破り、新たな研究の地平を切り拓く。日本建築史の現在地を俯瞰し、未来を展望する最前線。

 

 

目次
序言

第一部 和様の系譜学――変容を辿り再編する
《討議》
〈和様〉建築の再検討 黒田龍二・冨島義幸・野村俊一・箱崎和久・溝口正人
《論考》
和様の源流と系譜 箱崎和久
宮殿・住宅建築における「和様」と折衷 溝口正人
平安時代の建築様式の再考――鳳凰堂は和様か 冨島義幸
神社本殿形式の分類と変遷 黒田龍二
《視点》
諸種の「和様」と日本建築史 野村俊一・和様建築史研究会

第二部 禅宗様をほどく――唐様の痕跡を探る
《討議》
中世建築様式を問い直す――「禅宗様」を中心に
上野勝久・奥健夫・永村眞・野村俊一・藤井恵介・光井渉
《論考》
建築史における技術と様式――様式折衷の記述方法 藤井恵介
日本彫刻史の様式概念――「写実主義」「宋風」および「和様」について 奥健夫
寺院建築における様式概念の生成 光井渉
中世寺院建築の意匠とその流通をめぐって――詰組・台輪・東アジア 野村俊一
中世鑁阿寺における堂宇と法会 永村眞
 鑁阿寺本堂を通してみた様式の理解 上野勝久
《視点》
 中世禅僧と造営・土木知識 川本慎自
 定光寺本堂の昭和修理に示された「唐様」概念――様式概念と文化財修理の相互補完関係について 青柳憲昌

あとがき
執筆者紹介
プロフィール

野村俊一(のむら・しゅんいち)
1975年生まれ。東北大学大学院工学研究科都市・建築学専攻准教授、博士(工学)。
(主要業績)『建築遺産 保存と再生の思考―災害・空間・歴史』(共編、東北大学出版会、2012年)、「黎明期の五山叢林とその建築・行事」(共著、小島毅監修・島尾新編『東アジア海域に漕ぎだす4 東アジアのなかの五山文化』東京大学出版会、2013年)、「『建長寺指図』と仏殿・法堂・衆寮」(共著、村井章介編『東アジアのなかの建長寺 宗教・政治・文化が交叉する禅の聖地』勉誠出版、2014年)、『伝達と変容の日本建築史―伝わるかたち/伝えるわざ』(勉誠社、2022年)などがある。

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