レンアイノジダイ

恋愛の時代

大正期(1920年代前半)朝鮮における文化と流行
クォン・ボドゥレ 著/鄭大成 訳
ISBN 978-4-585-22036-7 Cコード 1020
刊行年月 2013年1月 判型・製本 A5判・上製 448 頁
キーワード 文化史,民俗学,東アジア,近代

定価:6,600円
(本体 6,000円) ポイント:180pt

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書籍の詳細
「恋愛」という言葉は朝鮮には存在しなかった

社会・文化の様々な分野で改造論が朝鮮をおおった1920年代前半。
それは「恋愛」や「結婚」に対する人びとの意識にも影響を及ぼし、「恋愛フィーバー」ともいえる流行をひきおこした。
新聞や雑誌の挿し絵や漫画、広告などの資料をふんだんに盛り込み、1920年代前半の朝鮮文化を読み解く。

 

 

目次
日本語版の読者へ

巻頭言

序論 「恋愛」という言葉

第一章 妓生と女学生
 金春外春の数奇な運命
 失われた栄誉―唱は売っても淫は売らず
 『無情』の庇髪
 乱れ髪の反乱?―妓生の女学生風ファッション
 官妓の追放、そしてその後
 舞台の上に立った妓生
 街をめぐる争奪戦
 代役の短い栄光とその顛末

第二章 旧女性と新女性
 「改造」の時代、家庭の改良
 旧女性の憂い―田舎に嫁いだ嫁の嘆息歌
 新婦人、新女子、新女性
 スイート・ホームの夢
 教育―旧女性の脱出口?
 新式の愛と新式家庭
 毒殺美人、金貞弼の抗弁
 恋愛、みんなのもの

第三章 恋愛と読書
 新しい商品としての「恋愛」
 大衆的な現象としての恋愛
 外からやって来た愛と読書
 エレン・ケイとエドワード・カーペンター
 『愛の火花』の記憶
 恋愛シンドロームと文学フィーバーの出会いとしての恋文

第四章 ラブレターによって広がる世界像
 仲介者の役割とコミュニケーションの間接性
 ラブレターの社会的条件
 文字の直接性と手紙
 補論 : 書簡体小説、あるいは崔曙海の位置

第五章 肉体と恋愛
 春香の初夜
 「処女」、命がけ・死にものぐるいの資格か?
 神聖なる恋愛、あるいは霊的な愛
 神聖なる恋愛、あるいは霊肉一致
 日本の性欲学と朝鮮
 不純血説の小説的表現
 性欲と自然と病

第六章 恋愛の死と生
 外来風潮としての情死
 情死の小説、または現実
 康明花と尹心悳
 一九二三年、転換の予感
 「赤い恋」の大衆

結論 恋愛の時代、あるいは改造の時代

補論一 恋愛以前の恋愛―一九〇〇年代式の情熱と自由結婚論
 一夫一婦制という新しい強迫観念
 恋愛以前の自由結婚
 愛国的情熱の圧倒
 過渡的な愛のかたちとしての夫婦愛

補論二 恋愛の外なる恋愛―恋愛フィーバーの時代と韓龍雲の「恋人」
 『ニムの沈黙』と小説との距離
 二つの小説、「後悔」と『薄命』
 妓生と色酒家
 『薄命』の風俗誌、一九三〇年代の色酒家の風景
 自由恋愛という時代性
 「ニム」と「自由」に対する小説的解釈
 仏教と相対性が意味するもの

訳者解説

索引
プロフィール

クォン・ボドゥレ(Kwon Boduerae)
1969年、ソウル生まれ。ソウル大学国文科および同大学院国文科卒。ソウル大・仁荷大・韓神大の時間講師、梨花女子大学韓国文化研究院の研究員などをへて、現在は、高麗大学国文科の専任教員として在職中。進歩系時事週刊誌『ハンギョレ21』のコラムニスト。文学博士(韓国文学)。
韓国語著書として、『恋愛の時代』のほかに、『韓国近代小説の起源』・『1910年代、風聞の時代を読む』(以上、単著)、『近代啓蒙期における「知識」概念の受容とその変容』・『韓国〈近代性〉研究の道を問う』・『近代啓蒙期における「知識」の発見と思惟地平の拡大』・『近代啓蒙期における「知識」の屈折と現実的深化』・『「少年」と「青春」の窓』・『アプレガール、「思想界」を読む』(以上、共著)など。

鄭大成(じょん・でそん)
岡山朝日高校卒。早稲田大学および明治大学大学院卒。梨花女子大学に留学後、ソウル大学大学院国文科卒。ソウル大招聘教授など歴任し、現在、高麗大客員研究員。文学修士(史学)、文学修士(韓国文学)。
単著に『朝鮮王―その虚像と実像(韓国ドラマ時代劇王BOOK)』(角川グループパブリッシング)、共著に『<翻訳>の圏域―文化・植民地・アイデンティティ』(筑波大学文化批評研究会)、共訳に『日本軍の性奴隷制』(論創社)、韓国語共著に『在日同胞文学とディアスポラ』、韓国語単訳に『大正文化』(南博ほか著)など。

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