アジア遊学171
チュウゴクコテンブンガクトソウガブンカ

中国古典文学と挿画文化

瀧本弘之・大塚秀高 編
ISBN 978-4-585-22637-6 Cコード 1398
刊行年月 2014年2月 判型・製本 A5判・並製 224 頁
キーワード 美術,文化史,古典,中国

定価:2,640円
(本体 2,400円) ポイント:72pt

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書籍の詳細

中国文学史上、木版刊行物における挿絵の印刷文化が質・量ともに頂点に達したのは明末清初である。各地の書肆は競って挿絵本を刊行し、彫師や画工の名工も多数輩出した。こうした書籍はわが国にも多数招来され、江戸文学・美術・工藝の多方面に大きな影響を及ぼした。当時の人々がどのように書籍に対峙したかを想起するとき、図像を無視することはできない。
文学と美術の交差点である挿絵に注目し、その研究のもたらす可能性を探る。

 

 

目次
〈概説〉
[概説]中国木版画史の流れ―唐から明清、近代へ 瀧本弘之

〈小説刊本における版本挿絵の拡がり〉
周曰校刊『三国志演義』の挿図について 中川諭
『全相平話』のビジュアルワールド―「上」からみる作品の素顔 廣澤裕介
江戸の『絵本三国志』は明の『三国志演義』呉観明本・周曰校本をどう受容したか―人物描写からみるその実相 梁蘊嫻
『封神演義』におけるイメージの図像化について 中塚亮
孫悟空の図像イメージ―小説本文と絵姿と 上原究一

〈戯曲本挿絵の世界〉
弘治本『西廂記』の挿絵について 金文京
明代戯曲刊本の挿絵について 小松謙
明刊本『西廂記』―挿絵本の華麗なる発展 馬孟晶(訳・瀧本弘之)

〈版本挿絵の発展と伝播・拡散〉
『中国小説絵模本』に見る中国小説の挿絵 大塚秀高
勧戒図説の図について 小川陽一
『三国志演義』の年画―楽しみを反芻するために 三山陵
明清版本は日本においてどう和様化されたのか―日中韓の比較からみる十七世紀の諸相 入口敦志
“意匠”の宝庫―明清挿絵本と工藝品~清朝(琉球)漆藝、陶磁器の作例初探~ 長谷川祥子
プロフィール

瀧本弘之(たきもと・ひろゆき)
著述家、中国版画研究家。美術一般から特に東西を問わず古版画・近現代版画に関心をもつ。
編著書に『蘇州版画』(駸々堂、1992年)、『中国抗日戦争時期新興版画史の研究』(研文出版、2007年)、『民国期美術へのまなざし』(勉誠出版、2011年)、『中国古典文学挿画集成』[一~八](遊子館、1999―2012年)などがある。

大塚秀高(おおつか・ひでたか)
埼玉大学教養学部教授。専門分野は中国俗文学。
主な著書に『増補中国通俗小説書目』(汲古書院、1987年)、『中国小説史への視点』(放送大学教育振興会、1987年)がある。

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