キンセイジュガクインガクトトウイン

近世儒学韻学と唐音

訓読の中の唐音直読の軌跡
湯沢質幸 著
ISBN 978-4-585-28012-5 Cコード 3081
刊行年月 2014年3月 判型・製本 A5判・上製 440 頁
キーワード 国語学,中国,江戸,近世

定価:10,780円
(本体 9,800円) ポイント:294pt

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書籍の詳細
日本人はどのように中国音と対峙したか

古来、中国音は漢字文化圏を中心として、中国文化とともにアジア各地に伝播していった。そして各地各様の事情に応じて、取捨選択され利用されていったが、日本では、中国文化摂取の窓口、儒学および仏教において特異な展開を遂げた。
本書は、儒学が幕府の学問となった近世にスポットを当て、近世と当時の中国音=「唐音」との歴史的な関係を把握する。すなわち、日本独特の漢文の読み方=「訓読」を背景として、儒学、加えて隣接分野の中国音研究=「韻学」は、どのように「唐音」を取り扱い消化していったのかを追究する。

 

 

目次
凡 例

序 章

Ⅰ 近世儒学と唐音
 緒 言
 第一章  荻生徂徠と唐音
 第二章  太宰春台と唐音
 第三章  雨森芳洲と唐音
 第四章  江村北海と唐音
 第五章  平賀中南と唐音
 第六章  秋山玉山・村土玉水・原双桂と唐音
 結 語 儒学と唐音―訓読の中の唐音直読―

Ⅱ 唐音以前の韻学
 緒 言
 第七章  中世における『韻鏡』清濁と呉音漢音清濁 付論 『韻概』の模式図
 第八章  近世初期における『韻鏡』清濁と呉音漢音清濁(1)
 第九章  近世初期における『韻鏡』清濁と呉音漢音清濁(2)
 結 語 『韻鏡』と呉音漢音の対応

Ⅲ 近世韻学と唐音
 緒 言
 第一〇章 文雄と唐音
 第一一章 富森一斎・泰山蔚と唐音
 第一二章 文雄及び利三・利法と唐音 付論 富森一斎・泰山蔚における軽重論・助紐音論
 結 語 唐音利用の韻学

終 章 近世儒学韻学と唐音―訓読の中の唐音直読の軌跡―

資料・参考文献

索 引
プロフィール

湯沢質幸(ゆざわ・ただゆき)
1943年群馬県前橋市生まれ。1971年東京教育大学文学研究科修士課程修了。1974~2009年山形大学・筑波大学・京都女子大学に勤務。筑波大学名誉教授、博士(文学)。専門は日本語史、日本における漢字・漢字音受容史。1983年佐伯国語学賞受賞。
著書に『唐音の研究』(勉誠社、1987年)、『日本漢字音史論考』(勉誠社、1996年)、『音声・音韻探究法』(松崎寛と共著、朝倉書店,2004年)、『増補改訂 古代日本人と外国語―東アジア異文化交流の言語世界―』(勉誠出版、2011年)など。

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