東アジア世界から東部ユーラシア世界へ
中国南朝・梁の蕭繹により作成された「梁職貢図」。
そこに描かれた諸国・諸地域の使節図・題記は、6世紀における梁を中心とした国際秩序・文化的状況を鮮やかに伝える貴重資料である。
近年、従来佚損していた倭国条の後半、そして新羅・高句麗や西域諸国の条を補う新資料「清張庚諸番職貢図巻」が見出され、「梁職貢図」をめぐる研究状況は新たなステージを迎えることなった。
本書では、「梁職貢図」の新出題記、そして従来の諸本の多角的検証により、その史料的位置付けを明らかにし、
中心・周縁・辺縁の諸関係より構成される東部ユーラシアの世界構造を立体的に描き出す。