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広く東アジアに伝播し、文字や学問、思想、技術を伝える媒体となった漢籍。それらは社会史・文化史における豊潤な史料的源泉として着目され、特に欧米においては、従来の書籍史・印刷史研究を踏まえつつ、複合的な視野からの新たな研究が進められている。出版・流通・蒐書など、書物をめぐるコミュニケーションを担う人びとの営みを描き出した、研究の第一線を示す本邦初公開の必読論文を収載。これからの中国書籍史研究の羅針盤として、その可能性と展開を示す画期的論集。
永冨青地(ながとみ・せいじ)早稲田大学理工学術院教授。博士(文学)。専門は中国思想・文学・出版史など。著書に『王守仁著作の文献学的研究』(汲古書院、2007年)など。