ニッカンオンガクキョウイクカンケイシケンキュウ

日韓音楽教育関係史研究

日本人の韓国・朝鮮表象と音楽
藤井浩基 著
ISBN 978-4-585-27040-9 Cコード 3073
刊行年月 2017年2月 判型・製本 A5判・上製 336 頁
キーワード 文化史,東アジア,近現代

定価:8,250円
(本体 7,500円) ポイント:225pt

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書籍の詳細
日本人は音楽を通していかなる韓国・朝鮮表象を形成してきたのか

〈表象〉は音楽教育・文化政策にどのような影響を与えたのか。人物、メディア、学校など多角的視点から日韓関係を探る。

 

 

目次
巻頭言 日韓の新しい音楽関係を作るための礎石 徳丸吉彦 

凡 例

序章 日韓音楽教育関係史の試み
一 一九六〇年の韓国学生文化使節団来日から
二 本書の目的
三 先行研究の検討
四 主要文献の解題―『京城日報』と『毎日申報』―
五 研究の視点

第一章 エッケルトを通してみる旧韓国・植民地期朝鮮と日本
一 朝鮮王朝末期、旧韓国における西洋音楽の受容
二 日本でのエッケルト
三 旧韓国赴任後のエッケルトと日本
四 エッケルトの最晩年と死―『京城日報』の記事より―
五 本章のまとめ

第二章 柳宗悦・兼子夫妻の朝鮮渡航音楽会―一九二〇年代朝鮮の西洋音楽受容
一 研究の現状と本章の視点
二 日本における「音楽会」文化の形成―柳宗悦と『白樺』―
三 朝鮮渡航音楽会の経緯と実際
四 朝鮮渡航音楽会の朝鮮への影響と西洋音楽移入
五 柳宗悦の「音楽会」の否定
六 本章のまとめ

第三章 「文化政治」における音楽の奨励―朝鮮総督府政務総監・水野錬太郎の音楽奨励策と在朝音楽家・石川義一―
一 「武断政治」から「文化政治」へ
二 朝鮮総督府政務総監・水野錬太郎による音楽の奨励
三 音楽家・石川義一による音楽の奨励
四 石川義一の官立音楽学校設置構想
五 官立音楽学校設置構想の実際
六 本章のまとめ

第四章 『京城日報』の音楽関連事業と報道
一 『京城日報』と「文化政治」
二 柳宗悦・兼子の朝鮮渡航音楽会への対応
三 柳兼子童謡唱歌音楽会と『京城日報』
四 『京城日報』の音楽関連事業
五 本章のまとめ

第五章 「文化政治」期の音楽教育―五十嵐悌三郎の音楽教育活動を中心に―
一 五十嵐悌三郎に関する研究の状況と本章の視点
二 朝鮮赴任前の五十嵐の音楽教育活動―山形県師範学校教諭として―
三 朝鮮における五十嵐の音楽教育活動
四 本章のまとめ

第六章 朝鮮における官立音楽学校設置構想
一 官立音楽学校設置構想の連続性
二 新たな官立音楽学校設置構想
三 官立音楽学校設置構想に対する朝鮮人の反応と「朝鮮音楽学校設置論」
四 本章のまとめ

第七章 歌劇《春香》作曲の構想から初演へ―高木東六と朝鮮―
一 本章の視点と音楽家・高木東六
二 幻の歌劇《春香》第一作―朝鮮への興味と作曲への道程―
三 歌劇《春香》第二作
四 本章のまとめ

補章 半世紀を経て復活した歌劇《春香》
一 復活の兆し―研究者による掘り起こし―
二 復活上演にむけた準備
三 上演の実際と作品の再評価
四 終結部改変の再考と補作曲
五 歌劇《春香》のその後


終章 日本人の韓国・朝鮮表象と音楽―過去・現在・未来―
一 各章のまとめ
二 背反する二つの表象と展開
三 再生産される韓国・朝鮮の表象と展開
四 日韓関係と音楽教育―不協和音から協和音へ―

主要参考文献
あとがき
索引(人名/事項)
プロフィール

藤井浩基(ふじい・こうき)
1967年鳥取県生まれ。京都市立芸術大学大学院音楽研究科(修士課程)音楽学専攻修了。2003年韓国国立韓国芸術総合学校音楽院客員研究員。2008年博士(芸術文化学、大阪芸術大学)。現在、島根大学教育学部教授。鳥取短期大学非常勤講師。専門は音楽教育学、音楽学。
著書に『島根の民謡─歌われる古き日本の暮らしと文化─』(共著、三弥井書店、2009年)などがある。

書評・関連書等

「東洋経済日報」(2017年6月23日)にて、本書の紹介文が掲載されました。(評者:閔庚燦(韓国藝術綜合学校音楽院教授)

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