アジア遊学233
キンジョシンノレキシトユーラシアトウホウ

金・女真の歴史とユーラシア東方

古松崇志・臼杵勲・藤原崇人・武田和哉 編
ISBN 978-4-585-22699-4 Cコード 1322
刊行年月 2019年5月 判型・製本 A5判・並製 336 頁
キーワード 中国,アジア,世界史,中世

定価:3,520円
(本体 3,200円) ポイント:96pt

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書籍の詳細

12世紀前半に北東アジアより勃興、契丹(遼)・北宋を滅ぼし、広くユーラシア東方に100年にわたる覇をとなえた金国(金朝)。
その建国の中枢を担った北東アジアのツングース系部族集団である女真は、のちの大清国(清朝)を建国したマンジュ人のルーツとしても知られ、世界史を考えるうえで、金・女真は、避けては通れない大きな存在である。
近年深化を遂げるユーラシア東方史の研究の最先端より、「政治・制度・国際関係」「社会・文化・言語」「遺跡と文物」、そして「女真から満洲への展開」という四つの視角から金・女真の歴史的位置づけを明らかにする。

 

 

目次
序言  古松崇志
関係年表  藤原崇人
金朝皇帝系図・金朝皇帝一覧  武田和哉

第Ⅰ部◎金代の政治・制度・国際関係
 金国(女真)の興亡とユーラシア東方情勢  古松崇志
 契丹遼の東北経略と「移動宮廷(行朝)」
  ―勃興期の女真をめぐる東部ユーラシア状勢の一断面  高井康典行
 コラム◎「刀伊襲来」事件と東アジア  蓑島栄紀
 女真と胡里改―鉄加工技術に見る完顔部と非女真系集団との関係  井黒 忍
 女真族の部族社会と金朝官制の歴史的変遷  武田和哉
 コラム◎猛安・謀克について  武田和哉
 コラム◎金代の契丹人と奚人  吉野正史
 十五年も待っていたのだ!―南宋孝宗内禅と対金関係  毛利英介
 コラム◎金朝と高麗  豊島悠果

第Ⅱ部◎金代の社会・文化・言語
 女真皇帝と華北社会―郊祀覃官からみた金代「皇帝」像  飯山知保
 コラム◎元好問―金代文学の集大成者  高橋幸吉
 金代の仏教  藤原崇人
 コラム◎金代燕京の仏教遺跡探訪記  阿南・ヴァージニア・史代
 金代の道教―「新道教」を越えて  松下道信
 女真語と女真文字  吉池孝一
 コラム◎女真館訳語  更科慎一

第Ⅲ部◎金代の遺跡と文物
 金上京の考古学研究  趙永軍(古松崇志・訳)
 コラム◎金の中都  渡辺健哉
 金代の城郭都市  臼杵勲
 コラム◎ロシア沿海地方の女真遺跡  中澤寛将
 コラム◎金代の界壕―長城  高橋学而
 金代の在地土器と遺跡の諸相  中澤寛将
 金代の陶磁器生産と流通  町田吉隆
 金代の金属遺物―銅鏡と官印について  高橋学而

第Ⅳ部◎女真から満洲へ
 元・明時代の女真(直)とアムール河流域  中村和之
 ジュシェンからマンジュへ―明代のマンチュリアと後金国の興起  杉山清彦
 コラム◎マンジュ語『金史』の編纂―大金国の記憶とダイチン=グルン  承志
プロフィール

古松崇志(ふるまつ・たかし)
京都大学人文科学研究所准教授。専門は10~13世紀ユーラシア東方史。
主な著書・論文に『中国経済史』(共著、名古屋大学出版会、2013年)、「契丹・宋間の国信使と儀礼」(『東洋史研究』73巻2号、2014年)などがある。

臼杵勲(うすき・いさお)
札幌学院大学教授。専門は北東アジア考古学。
主な著書・論文に『鉄器時代の東北アジア』(同成社、2004年)、『東アジアの中世城郭 女真の山城と平城』(吉川弘文館、2015年)などがある。

藤原崇人(ふじわら・たかと)
龍谷大学文学部准教授。専門は10〜14世紀を中心とする中国および北アジアの仏教史。
主な著書・論文に『契丹仏教史の研究』(法藏館、2015年)、「クビライ政権と資戒会」(『関西大学東西学術研究所紀要』第49輯、2016年)、「捺鉢と法会―道宗朝を中心に」(『唐代史研究』第20号、2017年)などがある。

武田和哉(たけだ・かずや)
大谷大学文学部教授。専門は人文情報学・歴史学・考古学。
主な論著に、『草原の王朝・契丹国(遼朝)の遺跡と文物』(勉誠出版、2006年)、『日本的時空観の形成』(共著、思文閣、2017年)などがある。

書評・関連書等

★書評・紹介★
「東方」(2020年1月5日)に書評が掲載されました。
 →古畑徹(金沢大学文学部教授)

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