道教の美術とはなにか
道教の生成プロセスにまでさかのぼり、春秋戦国時代から漢そして三国時代にいたる、老子の神格化と視覚化の関係を「先道教美術」と位置付け、多くの新出資料を提示し徹底的に検討する。
さらに南北朝時代北魏を「道教美術の成立」と定義し、北魏から隋時代にいたる膨大な道教像を時代ごとに整理し網羅的に集成、最新の研究に裏付けされた詳細な解説を付す。
文献を中心とした道教研究とは一線を画し、現地調査による道教空間への接近、帛書・銅鏡・画像石・書法・絵画・彫刻など、道教美術研究の第一人者による「モノ」を起点とした総合的な考察の成果を示す。
道教美術の全貌をオールカラーによる豊富な図版と共に紹介する大著、待望の邦訳。