古来、中国そして東アジア各国においては、為政者がいかにあるべきかを説くために、他者や過去の出来事を鑑として戒めとすべき手本を示した「勧戒画(鑑戒画)」が利用されてきた。
なかでも中国帝王にまつわる故事を取り上げたものは「帝鑑図」と称され、屛風や障壁画など室礼や儀礼空間の荘厳として、また、挿絵となり物語と共に『帝鑑図説』として版本化され、東アジアの文化の基底として大きな影響を与えてきた。
本書では、日本における帝鑑図・帝鑑図説の諸作品を美術史・文学研究の第一線の視点より、多角的に考察。
通説を再検討し、「帝鑑図」とは何か、という基本的な定義を問い直す画期的成果。
豊富な図版資料また国内作品の網羅的リストも具備した、東アジア文化史研究における必携の一冊!