コダイノニホントヒガシアジア

古代の日本と東アジア

人とモノの交流史
鈴木靖民 著
ISBN 978-4-585-22279-8 Cコード 3020
刊行年月 2020年7月 判型・製本 A5判・上製 472 頁
キーワード 交流史,東アジア,世界史,日本史,古代

定価:11,000円
(本体 10,000円) ポイント:300pt

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書籍の詳細
東アジアの構造はいかに形成され、展開したのか―

文献資料、最新の考古学的成果を博捜し、地政学的そしてヒト・モノ・文化の交流の視点より1世紀から10世紀におよぶ日本および東アジアの歴史的展開を浮き彫りにする。
長年にわたり東アジア古代史研究を牽引する碩学による最新論集。

 

 

目次
はじめに

Ⅰ 王権の始原・交易の力
1 加耶史の展開と倭
   はじめに
   一 加耶諸国の社会と国際関係
   二 国際交通と要衝、狗邪韓国
   三 倭の朝鮮における戦争への参加の背景
   四 広開土王碑と加耶
   五 倭の府官制秩序と朝鮮の状況
   おわりに―国家成立直前の大加耶連合―
2 加耶の形成と対外交流―一~三世紀―
   はじめに
   一 一世紀の韓
   二 三世紀の韓の辰王・首長・下戸と対魏外交
   三 弁韓の鉄生産と交易
   四 倭と魏洛陽・帯方の交流と弁韓
   おわりに
3 倭国の形成と加耶―四~五世紀―
   はじめに
   一 倭の王権の出現
   二 三世紀の倭の王権
   三 四世紀の倭王権と東アジア
   四 五世紀初頭の倭王権と高句麗との戦争
   五 倭王権と加耶の退転・展開―おわりにかえて―
4 加耶文化の北方的要素
   はじめに
   一 弁韓(弁辰)から加耶へ
   二 加耶文化と北方文化
   三 楡樹老河深遺跡と北方系諸民族
   おわりに―騎馬民族説との関連―
5 弥生後期、根塚遺跡と東アジア
   はじめに
   一 根塚遺跡と弥生時代の出土品
   二 弁韓(弁辰)の鉄剣・鉄器―金海良洞里古墳群と蔚山下岱古墳群―
   三 弁韓(弁辰)の鉄と倭の王権と北信濃
   四 鹿角装鉄剣と鉄器の流通ルート
   五 「大」字刻書土器の意義
   おわりに

Ⅱ 中心化する周辺・あらがう周辺
1 広開土王碑にみえる「倭」
   はじめに
   一 広開土王碑および拓本の研究史
   二 倭記事の史実
   三 広開土王碑にみえる「倭」
   おわりに
2 五世紀、高句麗の王陵・祭祀・王統譜―集安高句麗碑小考―
   はじめに―碑の発見当初の状況―
   一 碑の状況
   二 様々な議論と信憑性
   三 『集安高句麗碑』における所見
   四 碑文の論点
   五 高句麗王統譜の成立
   おわりに代えて―太王号・異体字表記など―
3 五世紀の倭国と東アジア
   はじめに―五世紀の倭国史の論点―
   一 倭の五王と記紀の天皇、倭王の実名(字)と漢名表記
   二 倭の外交と宋・東アジア
   三 五世紀後半の画期性
   おわりに―五世紀の倭国と東アジア―
4 反正天皇(珍)の人物像―記紀、宋書を通して―
   一 記紀の反正天皇
   二 『宋書』の倭王珍とその事績
   三 蝮王部と皇統譜―おわりに代えて― 208

Ⅲ 外交の形・移動する文化
1 新羅の倭典と上表
   はじめに
   一 新羅の倭典・領客典
   二 倭典の創置事情
   三 新羅の上表
   おわりに―新羅の上表と領客典・倭典―
2 半跏思惟仏像をめぐる倭と百済・新羅―七世紀―
   はじめに―概要―
   一 倭王権の仏教受容と本格化―六・七世紀前半〈欽明・敏達・推古朝〉―
   二 唐の膨張と高句麗・新羅・百済・倭―七世紀後半〈孝徳期以後〉―
   三 倭の集権国家への道と百済・新羅との関係―七世紀後半・末葉(天武期以後)―
   おわりに―半跏思惟仏像をめぐって―
3 古代日本の文化形成に寄与した朝鮮の人びと―七世紀を中心として―
   はじめに
   一 都塚古墳の系譜と百済・高句麗
   二 飛鳥寺と百済・高句麗・北朝の仏教
   三 新羅の仏教、文字文化と新羅人
   おわりに代えて―古代文化形成の特色―
4 古代日本列島の遠距離交流と文化伝播
   はじめに
   一 沖縄と古代の東北、北海道の交流
   二 古代の北海道と東北、本州との交流
   三 古代の北海道への文字文化の伝播
   おわりに代えて

Ⅳ 交流する国家・媒介する中国
1 日本古代国家のなりたちと東アジアの交流
   一 倭人と漢・楽浪郡の交流―一世紀前後―
   二 倭の王権の起源と韓・魏との交流―三世紀―
   三 東アジアの倭王と倭王権下の首長たち―四・五世紀―
   四 王権の充実と交易、交流、外交―六世紀・七世紀前葉―
   五 唐の膨張と東アジアの政変、政治改革、戦争と日本―七世紀中葉・後葉―
   おわりに―日本古代国家のなりたちと東アジア―
2 『古事記』『日本書紀』にみえる女性像―古代国家と周縁―
   はじめに
   一 景行天皇・日本武尊の巡幸と地方首長の子女
   二 神功皇后伝承と軍を率いる皇后(女帝)の呪力
   三 応神・仁徳・雄略天皇と地方首長の子女
   四 加耶・蝦夷出兵に従軍した将軍の妻たち
   おわりに―記紀にみえる日本古代の女性像―
3 渤海国の首領と交易―史的特質をめぐって―
   はじめに
   一 交通路と土城、山城、寺院
   二 首領と交易
   三 ユーラシア・サイズの遠距離交易
   四 東北アジアの交易商人
   おわりに
4 シルクロード・東ユーラシア世界と古代日本
   はじめに―古代日本とシルクロードの文物・文化―
   一 シルクロードを東進した人々と宗教信仰
   二 ペルシャ人・ソグド人の唐・日本進出と文物―陶器・伎楽面・意匠・七曜暦など―
   三 シルクロードから朝鮮を経て倭(日本)に来た文物―ガラス容器など―
   四 シルクロード研究と東部ユーラシア世界論
   五 東部ユーラシア世界の構造
   おわりに

おわりに
索 引
プロフィール

鈴木靖民(すずき・やすたみ)
1941年北海道生まれ。横浜市歴史博物館館長、國學院大學名誉教授、淑徳大学人文学部客員教授。文学博士。専門は日本古代史・東アジア古代史。
著書に『古代対外関係史の研究』(吉川弘文館、1985年)、『日本の古代国家形成と東アジア』(吉川弘文館、2011年)、『倭国史の展開と東アジア』(岩波書店、2012年)、『比較史学への旅―ガリア・ローマから古代日本へ』(勉誠出版、2012年)、『梁職貢図と東部ユーラシア世界』(編著、勉誠出版、2014年)、『日本古代の周縁史』(岩波書店、2014年)、『相模の古代史』(高志書院、2014年)、『古代日本の東アジア交流史』(勉誠出版、2016年)、『日本古代交流史入門』(共編著、勉誠出版、2017年)などがある。

書評・関連書等

★書評・紹介★
「史学雑誌」第131編第2号(2022年3月15日)に書評が掲載されました。
 →評者:橋本繁氏

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