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世界に多数存在する異宗教と多民族は、時に激しい対立や交流、融合を繰り返しながら、現代までの歴史を紡いできた。それらは、いかに顕在化しているのか。アジアとヨーロッパの東西における人の移動と民族の越境・交流の実態、ヨーロッパ社会における政治と宗教の関係、個々の人間の想いとその相克、さらにそこから相対化される「国家」意識の具体的深層に迫る。歴史学・文学・社会学・文化人類学・言語学・地域学・宗教学の分野から多角的に比較検証し、宗教・民族・国家間の共存のあり方を問い直す。
鹿毛敏夫(かげ・としお)名古屋学院大学教授。専門は日本中世史。主な著書に『アジアのなかの戦国大名―西国の群雄と経営戦略』(吉川弘文館、2015年)、『戦国大名の海外交易』(勉誠出版、2019年)、編著に『戦国大名大友氏と豊後府内』(高志書院、2008年)、『大内と大友―中世西日本の二大大名』(勉誠出版、2013年)、『描かれたザビエルと戦国日本―西欧画家のアジア認識』(勉誠出版、2017年)、『戦国大名大友氏の館と権力』(共編、吉川弘文館、2018年)などがある。