ムロマチブンカノザヒョウジク

室町文化の座標軸

遣明船時代の列島と文事
芳澤元 編
ISBN 978-4-585-32011-1 Cコード 3021
刊行年月 2021年10月 判型・製本 A5判・上製 448 頁
キーワード 交流史,古典,東アジア,日本史,室町,中世

定価:10,780円
(本体 9,800円) ポイント:294pt

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書籍の詳細
金閣・銀閣の煌めきに隠れた「日本文化」の分水嶺を探る

大きく飛躍した21世紀の室町時代研究が向かう次なるステージは、現代日本の起源といわれた「室町文化史」の検証、再構築にある。
義満・義持・義教の執政期である応永・永享年間を中心に隆盛した、能・連歌・床の間・水墨画―。その創造を支えたものとは何だったのか。
都鄙の境を越え、海域を渡った人びとが残した足跡、ことば、思考を、歴史学・文学研究の第一線に立つ著者たちが豊かに描き出す必読の書。

 

 

目次
まえがき 芳澤元

総論
室町文化論構想ノート―都鄙関係・境界地域からの見直し 芳澤元

第一部 文化を育てる社会構造
「室町時代」の地域性 山田徹
室町期の大名被官と都鄙の文化的活動 川口成人
室町期東国の政治・社会秩序 江田郁夫
足利将軍家の規範先例―「義満型」と「義持型」なる二類型と応永という時代 石原比伊呂

第二部 室町文化の知識の源泉
年号「応永」考 臼井和樹
句題和歌と唐宋詩―出典から見た問題 小川剛生
日本中世禅林における中国文学受容について―応永年間を中心に 太田亨
世阿弥の能楽論における朱子学の影響―『大学』『中庸』の引用及び世阿弥の心身論・抽象論の形成 重田みち

第三部 諸芸の展開とその時代
足利義持の和歌・連歌とその周辺 山本啓介
応永後期の能と演者 中嶋謙昌
後土御門天皇と連句文芸―文芸を導く天皇 小山順子
連歌師宗祇、日明勘合貿易関与説の疑点 廣木一人
宗祇旧知の入明僧「吉祥院」とは誰か 橋本雄

あとがき 芳澤元

執筆者一覧
プロフィール

芳澤元(よしざわ・はじめ)
1982年生まれ。明星大学人文学部准教授。専門は日本中世史、仏教文化史。
著書に『日本中世社会と禅林文芸』(吉川弘文館、2017年)、『足利将軍と中世仏教』(相国寺教化活動委員会、2019年)、論文に「中世後期の社会と在俗宗教」(『歴史学研究』976号、2018年)、「栂尾茶・醍醐茶の評判―十四世紀高山寺の喫茶文化」(永井晋編『中世日本の茶と文化―生産・流通・消費をとおして』アジア遊学252、勉誠出版、2020年)などがある。

書評・関連書等

★書評・紹介★
「日本歴史」10月号(2022年10月1日発行)に書評が掲載されました。
 →評者:小堀貴史氏
「史学雑誌」131編8号(2022年9月21日発行)に書評が掲載されました。
 →評者:桜井英治氏(東京大学大学院総合文化研究科教授)

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