石川県立図書館蔵川口文庫善本影印叢書3
ゴウリホウシュウムダイシ

『江吏部集』『無題詩』

柳澤良一 編
ISBN 978-4-585-03183-3 Cコード 3391
刊行年月 2010年11月 判型・製本 A5判・上製 388 頁
キーワード 中古,漢文

定価:13,200円
(本体 12,000円) ポイント:360pt

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書籍の詳細

◎川口文庫 
・平安朝漢文学史研究の大家故川口久雄博士の旧蔵書で、日本の物語文学古典籍など貴重書を多く有する。図書約13,000冊(国書、漢籍を含む)学術雑誌約4,000冊。

◎編集方針
・本叢書は、貴重な典籍コレクションの宝庫である石川県立図書館所蔵「川口文庫」より、特に学術的価値ある資料を中心に選び影印刊行する。菅原道真の漢詩文集『菅家文草』をはじめ、『和漢朗詠集私註』『文筆問答抄』『江吏部集』『無題詩』5点を収録。
・各巻の巻末には、各典籍の底本及び諸本の成立・内容に関する詳しい解題を附し、研究の便宜を図った。

◎本書の特色
・漢詩漢文に関する古典籍の未公開資料、稀覯書を初公開。
・和漢古典文学研究に必備の基礎資料集成。

 

 

目次
江吏部集(ごうりほうしゅう)
三巻一冊、寛文三年見林手校本、西荘文庫旧蔵本
平安中期の漢詩人大江匡衡の漢詩文集。成立は寛弘7年(1010)〜長和元年(1012)の間。漢詩140首、和歌1首、詩序30編(うち本詩6首を欠く)・和歌序一編を上中下三巻に収める。題詠の漢詩がほとんどであるが、江家(大江家)の嫡男として一家の隆盛を願いつつも叶わぬ不運・不満を述べた詩も見られる。従来は群書類聚所収本が唯一、容易に見ることができる本文であったが、写本は極めて珍しく、川口文庫本の出現で、本文の研究にも一層の進展が期待される。神宮文庫本所拠原本で、寛文3年(1663)の書写。筆者松下見林(1637〜1703)は、江戸時代の歴史家で、蔵書家としても知られ、毎年、人を長崎に遣わして舶載の書籍を購入した。蔵書はほとんど十万巻に及ぶという。なお、西荘文庫は、伊勢松坂の富商、木綿問屋の小津桂窓(文化元年(1804)〜安政5年(1858)、55歳。本名、岩佐屋与右衛門)の蔵書印。小津は、本居春庭に学び、詩文・詠草を能くし『梅花日記』『月ケ瀬紀勝』などの著がある。


無題詩(むだいし) 
三巻一冊、寛保元年写、西荘文庫旧蔵本
「本朝無題詩」ともいう。平安後期の詩人30人の漢詩772首を収める漢詩集。関白藤原忠道の周辺の人物が、応保2年(1162)から長寛2年(1164)までの間に編纂したと考えられる。現存本は三巻と十巻の二系統があるが、本来は十二巻であったか。「無題」とは句題(過去の名詩句を取り出した漢字5字から成る題)に対するもので、6字以上の詩題のこと。ただし、3字・4字の非句題、1字・2字の賦物題の詩も収める。詩形は七言律詩が圧倒的に多い。私的な風流遊興の作、別業や山荘・山寺に遊ぶ作、庶民生活を取り上げた作など多岐にわたり、従来の公宴における句題の詩とは全く異なり、和歌の世界との接近も注目される。川口文庫本は、9行20字詰で、返り点・送り仮名が一部施されている。慶長年間(1596〜1615)の写本の蓬左文庫に一致するが抄出本であり、三巻合綴一冊。西荘文庫旧蔵本。

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