われわれは、最も身近にある資料群といかにつきあっていくべきか
人びとの営みを伝える資料群として、公文書と相互補完的な関係にある「民間アーカイブズ」。家や個人、もしくは多様な民間団体が作成・授受・蓄積してきたこれらの記録群は、これまで各地域における歴史的・文化的資源として認識され、保存・活用されてきた。
しかし、過疎化や市町村合併等に伴う保存管理体制の崩壊や大規模災害の発生など、近年の急激な社会構造の変動により、これらの資料群は「滅失」の危機に瀕している。
地域アーカイブズを取り巻く環境、存在形態そして調査・保存に対する現実的アプローチなどを、現場の最前線からの視点で捉え返し、新たな段階を迎えた民間アーカイブズ保存・活用の論理と実践のあり方を提示する。