ゼツメツキグシュヲクラウ

絶滅危惧種を喰らう

秋道智彌・岩崎望 編
ISBN 978-4-585-24014-3 Cコード 1045
刊行年月 2021年1月 判型・製本 A5判・並製 264 頁
キーワード 環境,民俗学

定価:3,520円
(本体 3,200円) ポイント:96pt

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書籍の詳細
われわれには、何ができるのか―

現在、年間1000種の野生動物が絶滅しており、そしていったん絶滅した生き物は二度と地球上にもどることはない。
乱獲、生息地の分断、幼獣の食害、生息地環境の劣化・・・さまざまなシナリオで人間は動物を絶滅に追い込む。
野生動物を絶滅から救うために、我々は何をすべきなのか。
野生動物を「喰らう」問題、「装う」問題、そしていかにして野生動物を絶滅から救うかについての方策とよりどころとなる思想について多角的な視点から論じる。

 

 

目次
序章 絶滅危惧動物とヒト―かかわりあいの歴史と文化 秋道智彌

第1部 絶滅危惧種を喰らう
第1章 「隣人」としてのゾウ―バカ・ピグミーのゾウ肉タブーから読み解くヒト社会の進化史的基盤 安岡宏和
コラム1 メコンのシンボル「プラー・ブック」の危急と活用 秋篠宮文仁
第2章 ジュゴン猟をめぐるトレス海峡諸島民と生物学者たち 松本博之
コラム2 センザンコウの肉とウロコ 大石高典
第3章 凋落する大衆回遊魚―サケとウナギ   森田健太郎・黒木真理
コラム3 フカヒレ狂騒曲 鈴木隆史

第2部 絶滅危惧種の商品化と文化化
第4章 ウミガメはなぜ減少するようになったのか? 亀崎直樹
コラム4 フウチョウに倣って着飾るダンサー―パプアニューギニア西部州クボの事例から 須田一弘
第5章 ホッキョククジラを守りながら食べる―北極海の先住民捕鯨 岸上伸啓
コラム5 薬となって滅びる動物―犀角に群がる人びと 北出智美
コラム6 イルカ漁をめぐる三つの局面―自然科学と環境保護と伝統文化 竹川大介
第6章 宝石サンゴ―限りある資源と限りなき欲望  岩崎望
コラム7 鯨歯文化も絶滅するのか―捕鯨の副産物 内田昌広

第3部 絶滅危惧種の保全と利用
第7章 野生生物の違法取引と戦う―ワシントン条約と日本 井田徹治
第8章 日本の「ゼロ絶滅」と「持続可能な利用」達成へのみちすじ 東梅貞義
コラム8 捕鯨は悪か―アンチ・スーパーホエール論 秋道智彌
第9章 絶滅危惧種を創る、護る―新たな絶滅要因、感染症によるパラダイムシフト 岡安直比
コラム9 チンパンジーを笑うヒトは滅びる 中村美穂
第10章 食べて守るか、食べずに守るか 松田裕之
コラム10 殺さずに末永く利用する―成功例ルワンダのゴリラツーリズム 井田徹治

終章 霊性の復権―絶滅危惧種とのつきあい 秋道智彌

索 引
プロフィール

秋道智彌(あきみち・ともや)
山梨県立富士山世界遺産センター所長。専門は生態人類学、海洋民族学、民族生物学。
主な編著書に『魚と人の文明論』(臨川書店、2017年)、『交錯する世界 自然と文化の再構築 フィリップ・デスコラとの対話』(編著、京都大学学術出版会、2018年)、『たたきの人類史』(玉川大学出版部、2019年)などがある。

岩崎望(いわさき・のぞむ)
東京都生まれ。海洋生物学。立正大学地球環境科学部教授。宝石サンゴの生態と持続的利用に関する研究を行っている。
著書に『珊瑚の文化誌 宝石サンゴをめぐる科学・文化・歴史』(編著)、『珊瑚 宝石珊瑚をめぐる文化と歴史』(共編著、いずれも東海大学出版会2011)、ドキュメンタリーDVDに『深海3572mに生きる』『宝石サンゴ 科学調査の現場から』(いずれも東京シネマ新社)などがある。

秋篠宮文仁(あきしののみや・ふみひと)
(公財)山階鳥類研究所総裁、(公社)日本動物園水族館協会総裁、東京大学総合研究博物館特招研究員、東京農業大学客員教授。理学博士。

井田徹治(いだ・てつじ)
共同通信社編集委員兼論説委員。

内田昌宏(うちだ・まさひろ)
富士山かぐや姫ミュージアム学習指導員(学芸員)。

大石高典(おおいし・たかのり)
東京外国語大学大学院総合国際学研究院准教授。

岡安直比(おかやす・なおび)
NPO法人UAPACAA国際保全パートナーズ代表理事。元WWF(世界自然保護基金)ジャパン自然保護室長。

亀崎直樹(かめざき・なおき)
岡山理科大学生物地球学部教授。

岸上伸啓(きしがみ・のぶひろ)
人間文化研究機構理事・国立民族学博物館教授。

北出智美(きたで・ともみ)
世界自然保護基金(WWF)ジャパン職員。

黒木真理(くろき・まり)
東京大学大学院農学生命科学研究科助教。

鈴木隆史(すずき・たかし)
桃山学院大学兼任講師。

須田一弘(すだ・かずひろ)
北海学園大学人文学部教授。

竹川大介(たけかわ・だいすけ)
北九州市立大学文学部教授。

東梅貞義(とうばい・さだよし)
公益財団法人世界自然保護基金ジャパン事務局長。

中村美穂(なかむら・みほ)
京都大学野生動物研究センター特任准教授。

松田裕之(まつだ・ひろゆき)
横浜国立大学環境情報研究院教授。

松本博之(まつもと・ひろゆき)
奈良女子大学名誉教授。

森田健太郎(もりた・けんたろう)
北海道大学北方生物圏フィールド科学センター准教授。

安岡宏和(やすおか・ひろかず)
京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科准教授。

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