ミシマユキオトノウガク

三島由紀夫と能楽

『近代能楽集』、または堕地獄者のパラダイス
田村景子 著
ISBN 978-4-585-29046-9 Cコード 1020
刊行年月 2012年11月 判型・製本 四六判・上製 300 頁
キーワード 美術,文化史,近現代

定価:3,080円
(本体 2,800円) ポイント:84pt

 品切 
書籍の詳細
生きづらい現代に解き放たれる、「生の否定」のドラマ

戦後の希望(虚妄)に対峙しつづける三島由紀夫は、能楽の「生の否定」を華麗に脱構築し、救済を拒絶し絶望の美的結晶体と化した者たちの疾駆するドラマ『近代能楽集』を書く。
現代にこそ鮮烈によみがえる三島由紀夫。「生きづらさ」を生きぬくポスト・セカイ系世代の新鋭による初の三島=能楽論。

 

 

目次
はじめに

第一部 能楽の発見から三島由紀夫の能楽受容まで
 第一章 近代における能楽表象―国民国家、大東亜、文化国家日本における「古典(カノン)」として
 第二章 三島由紀夫の能楽受容―「言葉の優雅」から「実際の行動」まで

第二部 『近代能楽集』、全作品を読む
 第一章 能楽における「生の否定」の発見―「邯鄲」論
 第二章 絶望のもう一つ先の美に ―「綾の鼓」論
 第三章 認識者と実践者、その葛藤の帰趨―「卒塔婆小町」論
 第四章 救いなき死の受容―「葵上」論
 第五章 不幸と狂気の美的結晶体―「班女」論
 第六章 覚醒した紅い唇の女―「道成寺」論
 第七章 滅亡前の雨降る暗がりへ―「熊野」
 第八章 「この世のをはりの焔」は消えない―「弱法師」論
 第九章 切り捨てられた供養―「源氏供養」論

おわりに
プロフィール

田村景子(たむら・けいこ)
1980年、下関生まれ。前橋で育つ。横浜の桐蔭学園高等学校から、早稲田大学第一文学部へ。同大学大学院文学研究科修士課程、同教育学研究科博士課程を修了。博士(学術、早稲田大学 2012年)。
「近代・現代文学と能楽」研究を軸に、三島由紀夫、泉鏡花、郡虎彦から石牟礼道子、夢枕獏、現代演劇までを視野に入れる。生粋の「エヴァンゲリオン」世代で、アニメ、マンガ、ライトノベル論もてがける。
現在、早稲田大学文学部、亜細亜大学他非常勤講師。

書評・関連書等

・「東京新聞(夕刊)」(2012年11月28日)の「大波小波」にて、本書の紹介文が掲載されました。
・「月刊 観世」(2013年2月号)にて、本書の紹介文が掲載されました。
・「早稲田学報」(2013年4月号)にて、本書の紹介文が掲載されました。
「図書新聞」(2013年4月6日)にて、本書の書評が掲載されました。(評者:谷口基(茨城大学人文学部))
・「週刊読書人」(2013年4月5日)にて、本書の紹介文が掲載されました。
・早稲田大学国文学会『国文学研究』第169集(2013年3月)にて、本書の紹介文が掲載されました。
・「日本文学」(2013年6月)にて、本書の書評が掲載されました。(評者:有元伸子(広島大学文学部))
・「社会文学」第38号(2013年7月)にて、本書の書評が掲載されました。(評者:杉山欣也(金沢大学人文学類))
・「日本近代文学」第89集にて、本書の書評が掲載されました。
・「昭和文学研究」第68集にて、本書の書評が掲載されました。(評者:天野知幸(京都教育大学教育学部))
・「国文学研究」172集にて、本書の書評が掲載されました。(評者:葉名尻竜一(立正大学文学部))

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