キンダイブッキョウキョウダントゴエイカ

近代仏教教団とご詠歌

新堀歓乃 著
ISBN 978-4-585-21015-3 Cコード 3015
刊行年月 2013年6月 判型・製本 A5判・上製 272 頁
キーワード 仏教

定価:6,600円
(本体 6,000円) ポイント:180pt

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書籍の詳細
音楽が近代仏教の展開に果たした役割とは何か

巡礼や葬式などでうたわれる宗教音楽「ご詠歌」。高野山真言宗をはじめとする仏教教団は近代にご詠歌の流儀を立ち上げ、それを布教に役立ててきた。
一方、ご詠歌を通じて仏の教えを受けた信者も、信心からご詠歌を唱えるとともに、それを音楽としてもうたい、伝承を続けてきた。
本書は、綿密な資料調査とフィールドワークに基づく最新の知見から、ご詠歌が仏教教団と信者の双方にとって宗教的・音楽的価値をあわせ持つ有効なメディアとして機能してきたことを明らかにするとともに、宗教音楽の持つ力の可能性に光を当てる。

 

 

目次
凡例

序章 宗教音楽として見るご詠歌
一 本書の目的と対象
歌詞
旋律
歌詞と旋律の関係
音具と演奏方法
演奏の場およびその意義

二 先行研究
ご詠歌研究―日本音楽史におけるご詠歌の定義をめぐって―
近代仏教史研究―仏教教団の布教活動と近代化―
「正調」をめぐる議論―音楽伝承の近代化―
音楽の伝承方法に関する研究
三 本書の資料と構成

第一章 ご詠歌諸流儀の成立過程
はじめに
第一節 大和流の成立
レパートリーの整理および歌集の作成
階級制度の設置
奉詠大会の開催
第二節 金剛流の成立
レパートリーの整理および楽譜の作成
理論書の作成
詠階制度の設置
奉詠大会の開催
第三節 密厳流の成立
レパートリーの整理および楽譜の作成
解説書の作成
教階制度の設置
奉詠大会の開催
まとめ

第二章 仏教教団とご詠歌―布教用音楽の成立過程―
第一節 講によるご詠歌伝承
大和流と大和講―真言宗諸派との関係から―
大和流から分派した金剛流―高野山真言宗と金剛講―
大和流および金剛流から分派した密厳流―真言宗智山派と遍照講―
第二節 仏教教団による布教活動とご詠歌
明治維新後における布教活動―真言宗と浄土真宗の比較から―
高野山真言宗による御遠忌事業と宗教復興
御遠忌事業にみる布教用音楽としてのご詠歌
まとめ

第三章 仏教教団によるご詠歌の再編 ―「俗謡」から「仏教音楽」へ―
はじめに
第一節 ご詠歌に対する負のイメージ
宗教実践としての乞こつ食じきとご詠歌
「俗謡」から分断されたご詠歌
第二節 階級制度の再編
布教師養成のための制度―教導職との関係から―
在家信者の修行課程―声明との関係から―
第三節 楽譜と音楽理論にみる「伝統の創出」と「正調」
楽譜の「改良」―声明との関係から―
音楽理論の確立―俗楽旋法をめぐって―
ご詠歌の再編による「正調」の成立
まとめ

第四章 「正調」を伝える楽譜と口頭伝承
はじめに
第一節 ご詠歌の伝承方法
伝承者―立場・種類・役職―
伝承方法の分類
伝承方法の性質―創流から現在までの流れ―
第二節 楽譜と口頭伝承が変容するしくみ―「追弔和讃」を対象に―
楽譜の変遷
楽譜の変容過程―口頭伝承との関係から―
委員会における規範の再構築―「陰旋」から「陽旋」へ―
第三節 「正調」の演奏にみる個性の表現
演奏の個性を分析するための採譜―五線譜化の方法―
「正調」の詠唱における個性とその種類
「半音」から「押え音」へ―個性の表現をめぐって―
まとめ

結 論
各章のまとめ
本書を貫く主題とその意義―宗教音楽の近代化―
今後への展望―宗教と音楽をむすぶもの―

あとがき
索引 項/人名/図・表・譜例
プロフィール

1980年生まれ。東京藝術大学音楽研究センター研究推進室、特別研究員。東アジア音楽史、仏教音楽を専門とする。近年は中国大陸の研究者と積極的に交流し、自らも中国へ渡り研究に従事した経験を持つ。
主な論文に「近代日本における仏教音楽と布教活動」(『近代仏教』2010年)、「比较音乐学历史背景的中日学术交流(和訳:比較音楽学の歴史にみる中日学術交流)」(『上海音楽学院学報』2012年1期、周耘との共同執筆)などがある。

書評・関連書等

「週刊仏教タイムス」(2013年12月12日)の「今年の3冊 2013」にて、本書の紹介文が掲載されました。(評者:大谷栄一(佛教大学))

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