アジア遊学172
シュハンロンエマキノセカイ

『酒飯論絵巻』の世界

日仏共同研究
阿部泰郎・伊藤信博 編
ISBN 978-4-585-22638-3 Cコード 1371
刊行年月 2014年3月 判型・製本 A5判・並製 190 頁
キーワード 美術,文化史,日本史,江戸,室町,中世

定価:2,200円
(本体 2,000円) ポイント:60pt

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書籍の詳細
中世日本の絵巻をめぐる、人文学研究の “知の興宴”

十六世紀前半、狩野元信とその工房により制作された『酒飯論絵巻』。
酒好きの公家、飯を好む僧侶、酒も飯も程々がよいと中庸を重んじる武士がそれぞれの自説を展開し、優劣を争うというストーリーを持つ。
詞は、詠歌による言語遊戯として展開され、さらには宗論にまで発展する。
絵では、飲食・調理・宴会の情景が丹念に描かれ、その豊かな食の風景からは、平和な世界への願いが読み取れる。
室町時代と江戸時代の過渡期に制作されたこの絵巻は、江戸における新たな表象文化誕生を導いた重要な資料でもある。

文学史のみならず、美術史・歴史学・食文化史など、様々な分野から『酒飯論絵巻』を読み解く。

 

 

目次
序言 『酒飯論絵巻』の新たな研究視点を求めて ヴェロニック・ベランジェ/伊藤信博

Ⅰ テクストとしての『酒飯論絵巻』
『酒飯論絵巻』を読む―イメージの〈饗宴〉 小峯和明 
《コラム》異本『酒飯論』の存在 石川透  
狩野派における「酒飯論絵巻」の位相―文化庁本を中心に 土谷真紀
『酒飯論絵巻』の詞書と『和漢朗詠集』―典拠をめぐる試論 増尾伸一郎

Ⅱ 『酒飯論絵巻』をめぐるエクリチュール
『酒飯論絵巻』に描かれる食物について 伊藤信博
食物本草からみる描かれた食物―『酒飯論絵巻』から錦絵まで 畑有紀
宗論からみる『酒飯論絵巻』の特徴―第四段詞書を中心に 三好俊徳

Ⅲ 十六世紀:変動する世界/時代
『酒飯論絵巻』の時代の都市社会 高谷知佳
《コラム》下り酒と中世紀のボルドーワイン ボーメール ・ニコラ
『酒飯論絵巻』から見た遊びの世界 ワタナベ・タケシ
フランス国立図書館写本室蔵『酒飯論絵巻』について ヴェロニック・ベランジェ

『酒飯論絵巻』伝本リスト ヴェロニック・ベランジェ

総括と展望 『酒飯論絵巻』の達成―その世界像と思惟をめぐりて 阿部泰郎
プロフィール

阿部泰郎(あべ・やすろう)
名古屋大学大学院文学研究科教授。専攻は中世宗教文芸・宗教テクスト学。
主な著書に『湯屋の皇后―中世の性と聖なるもの』 (1998年)、『聖者の推参―中世の声とヲコなるもの』(2001年)、『中世日本の宗教テクスト体系』(2013年)(いずれも名古屋大 学出版会)などがある。

伊藤信博(いとう・のぶひろ)
1955年生まれ。名古屋大学大学院国際言語文化研究科助
教。専門は比較文化史。現在は、室町後期から江戸時代全般の文化史を、食物を中心に研究している。
主な論文に「殺牛祭神と犠牲祭祀」(『共生する神・人・仏』アジア遊学79、2005年9月)、「フランス 国立図書館所蔵の宣教師による漢訳著書目録について」(『キリシタン文化と日欧交流』アジア遊学127、2009年11月)、「擬人化され、 可視化される植物・食物」(『文化創造の図像学』アジア遊学154、2012年6月)などがある。

書評・関連書等

「東京新聞(中日新聞)」(2014年12月28日)にて、本書の書評が掲載されました。(評者:千足伸行(成城大学名誉教授))

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