スイゾクカンノブンカシ

水族館の文化史

ひと・動物・モノがおりなす魔術的世界
溝井裕一 著
ISBN 978-4-585-22210-1 Cコード 0020
刊行年月 2018年6月 判型・製本 A5判・並製 368 頁
キーワード 文化史,世界史,日本史

定価:3,080円
(本体 2,800円) ポイント:84pt

 品切 
「第40回 サントリー学芸賞(社会・風俗部門)」 受賞!!

書籍の詳細
古代から現代までの人と水生生物をめぐる関係を、水族館の変遷から読み解く

ひとが「魚を見ること」にはどんな意味が秘められているのか。
古代の養魚池文化にはじまり、黎明期の水族館のユニークな展示、植民地支配とのかかわり、SF小説や映画の影響、第二次世界大戦中の苦難、展示のストーリー化、さらにはヴァーチャル・リアリティ技術とのハイブリッド化が進む最新の水族館事情など、古今東西の水族館文化を図版とともに概観、ガラスの向こう側にひろがる水の世界へいざなう。
カラー・モノクロ図版を200枚以上掲載!

 

 

目次
 はじめに ガラスのむこうの「海」

第1章 水族館前史
 1 古代人の水族「観」
 2 中世ヨーロッパにおける水族「観」
 3 「紙の水族館」あらわる――近世~近代ヨーロッパの博物学
 コラム1 日本神話における水界と水族のイメージ
 コラム2 中国・日本における藻魚図と本草学
 コラム3 金魚文化の隆盛
第2章 モダンでレトロな近代水族館の世界
 4 「アクアリウム」の誕生
 5 帝国の水族館
 6 夢の水族館つき実験所
 コラム4 海の教会――ハンブルク動物園付属水族館
 コラム5 英国軍艦「チャレンジャー」の航海
第3章 日米の水族館と激動の時代
 7 星条旗のもとで――アメリカ水族館物語
 8 陸にあがった「龍宮城」――日本人と水族館
 9 水族館と第2次世界大戦―革命、破滅そして再生
 コラム6 浦島太郎と龍宮
第4章 非日常体験を求めて――「テーマアクアリウム」の世紀
 10 新しい展示、新しい海のイメージ
 11 「海洋パーク」と「テーマアクアリウム」の出現
 12 日本における「テーマアクアリウム」の発展
 13 「体験消費の場」としての水族館
 コラム7 水族館を経営するシミュレーションゲーム『テーマアクアリウム』
 コラム8 沖縄国際海洋博覧会と海洋開発
 コラム9 ショッピングモールのような水族館
第5章 水族館は境界をこえて――生きもの展示の未来
 14 動揺する水族館
 15 水族飼育をめぐる攻防――じっさいにあった事件が語ること
 16 「ハイブリッド水族館」への道

 注/図版出典一覧/主要参考資料・URL一覧
 あとがき
プロフィール

溝井裕一(みぞい・ゆういち)
関西大学文学部教授。博士(文学)。専門は西洋文化史、ひとと動物の関係史、ドイツ民間伝承研究。主な著書に、『動物園の文化史―ひとと動物の5000年』(勉誠出版、2014年)、『ファウスト伝説―悪魔と魔法の西洋文化史』(文理閣、 2009年)、編著に『グリムと民間伝承―東西民話研究の地平』(麻生出版、2013年)、共編著に、『想起する帝国―ナチス・ドイツ「記憶」の文化史』(勉誠出版、2016年)などがある。

書評・関連書等

「日本経済新聞」(2018年6月23日)の読書欄に書評が掲載されました。
朝日新聞」(2018年7月28日)にて書評が掲載されました。(評者:横尾忠則(美術家))
「東京新聞」(2018年7月29日)にて紹介文が掲載されました。
「中國新聞」(2018年8月5日)に書評が掲載されました。(評者:三中信宏(東京大学大学院教授))
「毎日新聞」(2018年10月14日)にて書評が掲載されました。(評者:三浦雅士(文芸評論家))
「熊本日日新聞」(2018年12月30日)に著者インタビューが掲載されました。
「新文化」(2022年6月23日、1面)「この人この仕事」欄で紹介されました。

★広告情報
・「朝日新聞」(2018年11月17日)に全5段広告を掲載しました。
・「読売新聞」(2018年11月19日)にサンヤツ広告を掲載しました。
・「産経新聞」(2018年11月26日)に5段1/2広告を掲載しました。
・「朝日新聞」(2018年12月9日)にサンヤツ広告を掲載しました。

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