ヒツジノモン

羊の門

李佩甫 著/永田小絵 訳/辻康吾 監修
ISBN 978-4-585-05091-9 Cコード
刊行年月 2003年11月 判型・製本 四六判・上製 512 頁
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定価:2,640円
(本体 2,400円) ポイント:72pt

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書籍の詳細

海賊版400万部!! 中国を凝縮し、中国人の根底を描く感動の傑作。中国にかかわる人の必読書!
「中国とは? 中国人とは?」万巻の書を読む以上に、この物語は、あなたの疑問に答えてくれるであろう。
中国河南省の貧村――その指導者・主人公呼天成は、義の人物として、村の団結や自分の人脈を脅かすものを容赦なく自殺に追い込むという冷徹な一面を持つ。社会の底辺から北京の中央政治にまたがる濃密な人脈、人間の生きる力の強さ・・・これはもはや単なる小説ではない。中華世界の権力、野心、欲望、願望、そしてすべての美醜、叡智と愚昧、悲劇と喜劇を描き出している。

ご推薦文
◎チャイナ・リアリズムの傑作
辻原 登(作家)
呼家堡とはいったい如何なる場所か。
呼オジと呼ばれる老人は何者か。
羊の門をいったんくぐれば、ブラックホールに吸い込まれてゆくような眩暈を覚える。「あちらこちらが脈動し、血は踊り、骨が弾む。何十何万羽の鳥の舌が彼の肉体の上を遊びまわり、こちらがしびれ、あちらがけだるい、こちらが震え、あちらが引きつる。熱い。この音楽が熱いのだ」(本文より)といった有様である。
中国文学において、『史記』や『三国志』に描かれる歴史が近代的な意味での小説で、志怪や伝奇などいわゆる小説は、じつは事実・記録だった。
李佩甫のこの物語は、近代小説の枠組みの中で、史を述べ、怪を志し、奇を伝えて、混然一体、間然するところがない。
私はこれをチャイナ・リアリズムの傑作と呼ぼう。

◎読み出すと止められないストーリー
吉田富夫(佛教大学文学部教授)
古来中原と呼ばれる権力争奪の地であった河南省の小さな村――その村は、しかし、改革開放時代に入っても、『東方紅』のメロディーで朝を迎える毛沢東時代の面影をつよく残す村でもあります。
不思議はそれだけではありません。村を仕切る一見貧相な老人は、住んでいる小屋から電話一本かけるだけで、省はおろか、北京の党中央のある筋も駒のように動かす力を持っているのです。
物語は、この神秘な村と老人を基軸に、その手に操られる地方の党官僚たちの権力闘争と愛憎模様を描きます。
河南省に実在する村をモデルに、毛沢東時代を引きずりつつ、改革開放へときしりながら動く現代中国の苦悩を、農村を舞台に初めて活写したこの小説は、読み出すと止められないストーリーに満ちています。
過去の泥沼にどっぷり漬かりつつ、人々が必死にもがいているこの世界こそが、文字どおり、現代中国の縮図なのです。

 

 

目次
登場人物表

第一章
一、土の匂い 
二、三千年来の言葉  
三、草の名前  
四、「屋」という意識  
五、平原の噂話  

第二章
一、名曲・二泉映月  
二、背景  
三、うどんは無くなった!  
四、一号車  
五、予期せぬできごと  

第三章
一、還暦の日  
二、草葺の家  
三、誕生日の贈りもの  
四、呼家堡の縄ベッド  
五、呼家堡の議会  

第四章
一、「賊」という字  
二、ポケットだらけの孫布袋 
三、小娥の魂  
四、拾ってきた女  
五、イヌ殺しの日  

第五章
一、死に駒を使う  
二、狂歓の夜  
三、鎖の一つの環  
四、打たれなかった句点  
五、釜の下から薪を抜き取る  

第六章
一、月光の下の白菜  
二、鍋蓋がなくなった  
三、八圏  
四、乗ったら最後「紙の橋」  
五、易筋経  
六、ネズミがネコを捕まえる  

第七章
一、ラバはしょっぱくない  
二、蔡先生  
三、サルの脳みそ宴  
四、石炭は白いか  
五、身体を探れば布の跡  

第八章
一、「通せんぼ」  
二、八本の木  
三、展示台  
四、一文字の解釈  
五、十ヵ条の法則  

第九章
一、十二時  
二、「走れや 走れ」  
三、待ち伏せだらけ  
四、一粒の落花生  
五、八哥  
六、大象無形 

第十章
一、地上と地下  
二、「人民」評議会  
三、だれが「主」か  
四、星を戴いた魂  
五、おお泥棒とコソ泥  
六、生命は運動にあり  

第十一章
一、交渉  
二、屋外の「家」  
三、「黄花閨女」  
四、公事を私事として  
五、私事を公事として

第十二章
一、大事と小事  
二、ある謎  
三、呼家麺  
四、カモはどちらだ  
五、手洗い会  

第十三章
一、尋問の秘訣  
二、女の原則  
三、人と群  
四、外柔内剛  
五、栄光と幻影  

第十四章
一、陽光大道  
二、便器の上のニュース  
三、病の治し方  
四、雷鳴  

ポスト呼天成―あとがきに代えて―  

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