ゲンジモノガタリゼンゴサユウ

『源氏物語』前後左右

加藤昌嘉 著
ISBN 978-4-585-29069-8 Cコード 1095
刊行年月 2014年5月 判型・製本 A5判・上製 296 頁
キーワード 古典,中古

定価:5,280円
(本体 4,800円) ポイント:144pt

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書籍の詳細
生成変化する物語との戯れ

作り物語とは何か? 作り物語はどのように存在していたのか?
文学史に大きく横たわる、全てのテクストを考えるに等しい根源的な問い。
連鎖・編成を繰り返し、アメーバのごとく増殖・変容するあまたの写本・版本を、あるがままに虚心に把捉することで見えてくる、ニュートラルな文学史。

 

 

目次
はじめに

第Ⅰ部 作り物語とは何か?

作り物語のエレメント
ⅰ 作り物語のキャラクター
ⅱ 作り物語のストーリー
ⅲ 作り物語のカメラ
ⅳ 作り物語の形態と表記

作り物語と作り物語
ⅰ 連結と合流
ⅱ 組み換えつづける
ⅲ 時空を引き継いで

第Ⅱ部 和歌は物語の肝である

琴で/笛で、和歌を詠む
ⅰ 『浜松中納言物語』の場合
ⅱ 『うつほ物語』の場合
ⅲ 『狭衣物語』の場合
ⅳ 『住吉物語』『風につれなき』『恋路ゆかしき大将』の場合
ⅴ 『伏屋物語』の場合
ⅵ 『落窪物語』『寝覚』の場合
ⅶ 『一本菊』『毘沙門』の場合

和歌の書記法
ⅰ 和歌を、一~二字分、上げる/下げる
ⅱ 和歌埋没―仮名日記・歌物語における―
ⅲ 和歌埋没―歌物語・作り物語における―

「とふにつらさ」の涙
ⅰ 作り物語の中の「とふにつらさ」
ⅱ 「とふにつらさ」は「涙」「泣く」と連繋する
ⅲ 仮名日記・軍記物語・お伽草子の中の「とふにつらさ」
ⅳ 最古例は『源家長日記』
ⅴ 和歌の中の「とふにつらさ」
ⅵ 「とふ」と「涙」
ⅶ 「とはぬはつらき」

第Ⅲ部 『源氏物語』の成立・作者・本文

〝『源氏物語』はどのように出来たのか?〟を再考する
ⅰ 『源氏物語』成立論の流れ
ⅱ 紫上系・玉鬘系という二つのセリー
ⅲ 『源氏物語』第二部にも玉鬘系は存在するか?
ⅳ 玉鬘系ブロックは後記挿入されたものか?

〝『源氏物語』の作者は紫式部だ〟と言えるか?
ⅰ 『紫式部日記』の中の『源氏物語』関連記事
ⅱ 『紫式部日記』の中で「物語」としか書かれていない記事
ⅲ 西暦一〇〇〇年代の資料
ⅳ 西暦一一〇〇年代~一二〇〇年代の資料

本文研究と大島本に対する15の疑問  
ⅰ 定家本・明融本・大島本の関連性について 
ⅱ 定家本『源氏物語』の複数性について 
ⅲ 大島本を底本とする注釈書について 
ⅳ 大島本「柏木」巻末の切除について 
ⅴ 《青表紙本》《河内本》《別本》という概念について 

本文の傍らに/或いは 本文となって
ⅰ パラテクスト=ペリテクスト+エピテクスト
ⅱ 書き入れも注釈である
ⅲ テクスト本体かペリテクストか? 作者の所為か享受者の所為か?
ⅳ 注釈は本文に容喙する

あとがき
プロフィール

加藤昌嘉(かとう・まさよし)
1971年10月生。
2000年3月、大阪大学大学院博士後期課程修了。博士(文学)。
大阪大学大学院助手、国文学研究資料館准教授を経て、現在、法政大学文学部教授。
著書に『揺れ動く『源氏物語』』(勉誠出版、2011年。第13回紫式部学術賞受賞)、共著書に『大島本源氏物語の再検討』(和泉書院、2009年)、共編書に『テーマで読む源氏物語論(4) 紫上系と玉鬘系―成立論のゆくえ―』(勉誠出版、2010年)がある。

書評・関連書等

「図書新聞」(2014年10月11日)にて、本書の書評が掲載されました。(評者:助川幸逸郎(日本文学研究者))

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