ナチストユダヤキギョウ

ナチスとユダヤ企業

経済の脱ユダヤ化と水晶の夜
山本達夫 著
ISBN 978-4-585-33003-5 Cコード 3030
刊行年月 2022年9月 判型・製本 A5判・上製 376 頁
キーワード 社会学,思想,西洋,世界史

定価:8,800円
(本体 8,000円) ポイント:240pt

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書籍の詳細
一次史料に基づくナチスのユダヤ企業政策研究

ユダヤ人政策を社会経済的観点から追究し、職業官吏制度再建法やニュルンベルク法、ユダヤ人居住地が次々と襲撃・放火された「水晶の夜」に新たな解釈を提起。
経済の脱ユダヤ化(アーリア化)政策に関する初の研究書。

推薦のことば
本書は、戦争と大量殺害が始まる少し前のドイツで、「経済の脱ユダヤ化」が経済社会をいかに変容させ、どのような問題を引き起こしていたかを問うている。ここで明らかになるのは、戦争統制経済の早期確立を謳う「四か年計画」の強い圧力の下、経済合理性の追求と反ユダヤ主義の貫徹という相矛盾する原理の間で身動きがとれなくなったナチ体制の現実だ。この危機的状況を国家的テロによって打破する試みが「水晶の夜」であった。
反ユダヤの外見を纏いながら、結局は「全ドイツ人の抑圧と隷従」に帰着した「経済の脱ユダヤ化」の全体像が、本書を通じて初めて浮き彫りになった。膨大な史料渉猟と明確な問題意識に支えられた本格的実証研究の傑作である。
石田勇治(東京大学大学院教授、ドイツ近現代史)

 

 

目次
推薦のことば 石田勇治
はじめに
略語一覧
序 章 第三帝国の社会史と経済の脱ユダヤ化
第一章 職業官吏制度再建法と官吏のナチ化
第二章 ニュルンベルク法
第三章 四カ年計画の始動と第三帝国の経済社会体制
第四章 四カ年計画の影響
第五章 営業経済組織への抵抗
第六章 営業経済組織秩序への挑戦―AdefaとADEBE―
第七章 経済の脱ユダヤ化とアーリア化
第八章 オーストリアにおける供給過剰の除去
第九章 十一月ポグロムと経済の脱ユダヤ化政策の収束
終 章 まとめと今後の課題
あとがき
史料文献目録
事項索引
プロフィール

山本達夫(やまもと・たつお)
一九六二年山口県萩市生まれ。山口大学、千葉大学、東京外国語大学、ゲッティンゲン大学で西洋史・ドイツ近現代史を学ぶ。博士(文学、福岡大学)。現在、非常勤講師として西洋史、ドイツ語を担当。
おもな業績として「クリスタルナハトとホロコースト―過去のイメージと歴史の研究―」(2002年)、「第三帝国における『経済の脱ユダヤ化』関連重要法令(I)(II)(III)」(2002~2016年)、 Die "Juniaktion" und der Pogrom von 1938. Arisierung und Liquidierung der "jüdischen Gewerbebetriebe" im Nationalsozialismus.(2015年)、W・ヴィッパーマン著、増谷英樹らと共訳『ドイツ戦争責任論争―ドイツ「再」統一とナチズムの「過去」―』(1999年)など。

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