チョウセンジダイソウルトシシ

朝鮮時代ソウル都市史

高東煥 著/野崎充彦・金子祐樹 訳
ISBN 978-4-585-32039-5 Cコード 3022
刊行年月 2024年2月 判型・製本 A5判・上製 456 頁
キーワード 社会学,東アジア,世界史

定価:9,900円
(本体 9,000円) ポイント:270pt

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書籍の詳細
ソウルという都市空間は如何に形成されたのか――

十五世紀より今日まで韓国の歴史の中心に位置する都市、ソウル。
移ろいゆく時代のなかで人びとの生活や文化、都市そのもののあり方は如何に変遷していったのか――。 遷都の背景にあった風水と儒教の役割と都市設計、政治的中心から商業都市へと変貌する過程で御用商人に代わり私商人らが伸長していくことで生じた市場の増大や、流浪民の集中による人口増加と都市問題の発生などの諸現象、また、徭役の金納化や請負業者の発展がもたらす行政施策の変化、都市民の出現による朝鮮後期の遊興文化の爛熟など、ソウルという都市をめぐる諸相を考察。
さらに様々な古地図にあらわれた都市空間に対する認識の時代的変容をも検討し、ソウルという時空間の複雑な展開を明らかにしたうえで、朝鮮時代史研究の新しいパラダイムと研究の方法論を提示する。
膨大な資料の分析と多角的な視点により、朝鮮後期の社会経済史研究を領導してきた著者による画期的研究成果を初邦訳。

 

 

目次
日本語版序文
はじめに
1 序論
2 朝鮮初期漢陽の形成と都市構造
3 朝鮮後期ソウルの人口趨勢
4 朝鮮後期ソウルの都市構造の変化と都市問題の発生
5 朝鮮後期ソウルの生業と都市文化
6 朝鮮後期ソウル住民の役制の変化―蔵氷役の廃止と蔵氷業への転換
7 漢城府行政編制の変化
8 朝鮮後期におけるソウルの空間構成と空間認識
9 朝鮮時代におけるソウルの市場と商業
10 一七、一八世紀のロンドンとソウルの都市構造比較
あとがき―解説に代えて 野崎充彦
索引
プロフィール

著者略歴
高東煥(Ko Donghwan)
1958年生まれ。ソウル大学史学科卒業。同大学院で博士学位取得。ソウル学首席研究員を経て、1995年より韓国化学技術院(KAIST)人文科学部教授。また、同大学学長に就任。
2001~2002年ケンブリッジ大学東洋学科visiting scholar.大韓民国学術院会員(2023年)。
著書に『朝鮮後期ソウル商業発達史研究』(知識産業社、1998年、日本語版、宮嶋博史訳、東京堂出版、2014年)、『歴史と都市』(共著、ソウル大出版部、2000年)、『巨商、全国の商権を掌握する』(共著、斗山東亜、2005年)、『再び実学とは何か』(共著、青い歴史、2007年)、『朝鮮時代市廛商業研究』(知識産業社、2013年)、『韓国前近代交通史』(ツルニョク、2015年)、論文に「朝鮮後期沿岸航海と外洋行路の開拓」「朝鮮後期~韓末信用去来の発達」などがある。

訳者略歴
野崎充彦(のざき・みつひこ)
1955年生まれ。大阪市立大学名誉教授。
専門は韓国古典文学・伝統文化論。
著書に『韓国の風水師たち』(人文書院、1994年)、『朝鮮の物語』(大修館書店、1998年)、『慵斎叢話―15世紀朝鮮奇譚の世界』(集英社、2020年)、訳書に『中国古典文学と朝鮮』(共訳、研文出版、1999年)、『青邱野談』(平凡社東洋文庫、2000年)、『洪吉童伝』(同前、2010年)、論文に「檀君―朝鮮史が生み出した民族神」(『アジア人物史』1、集英社、2023年)などがある。

金子祐樹(かねこ・ゆうき)
1975年生まれ。東国大学(韓国)WISEキャンパス日語日文学科講義招聘教授。
専門は韓国儒教文化論・政策論、日韓翻訳文化論。
著書に『新続忠臣図―倭乱後朝鮮における理想的忠の群像』(風響社、2023年)、『雨森芳洲の朝鮮語教科書―『全一道人』を読む』(平凡社、2023年)。論文に「『全一道人』における「服喪」句の翻訳文化論的研究」(『古典翻訳研究』12、韓国古典翻訳学会、2021年)などがある。

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