アジア遊学298
ムジュウドウギョウノヒラクカマクラジダイ

無住道暁の拓く鎌倉時代

中世兼学僧の思想と空間
土屋有里子 編
ISBN 978-4-585-32544-4 Cコード 1391
刊行年月 2024年11月 判型・製本 A5判・並製 216 頁
キーワード 宗教,説話,鎌倉,中世

定価:3,080円
(本体 2,800円) ポイント:84pt

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書籍の詳細
無住の目を通して語られる、鎌倉時代の諸相

『沙石集』、『雑談集』などの説話集編者として知られる無住道暁(むじゅうどうぎょう、一二二六〜一三一二。鎌倉時代後期の遁世僧)。
近年、無住の修学面に関する新資料が公になり、その研究も大きく飛躍しているが、
彼自身の人生を諸分野から概観する書籍はない。
彼はいつどこで誰に出会い、どのような教えを受け、何を選択したのか。
鎌倉時代を代表する説話集は、無住のいかなる人生を投影して作られたのか。
無住が生きた土地・場、各地での僧侶間ネットワークに着目し、宗教者としての内実を読み解くと同時に、無住をとりまく文芸活動を考察。
鎌倉幕府や北条氏にも高い関心を寄せた無住の修学・文学を、彼の人生の流れに沿ってとらえ直す。

 

 

目次
序文◆土屋有里子

第一部 修学と環境をめぐる―東国・尾張・京
常陸の宗教世界と無住◆亀山純生
無住と法身房◆土屋有里子
無住と鎌倉―鎌倉の仏教関係説話を中心に◆追塩千尋
尾張長母寺住持無住と地域の人々◆山田邦明
無住にとっての尾張―地方在住僧の帰属意識◆三好俊徳
無住と伊勢神宮―『沙石集』巻第一第一話「太神宮御事」をめぐって◆伊藤聡
円爾述『逸題無住聞書』と無住◆和田有希子
『沙石集』における解脱房貞慶の役割から聖一国師への道―無住が捉えた貞慶の伝承像とその文脈―円爾と交錯する中世仏教の展開◆阿部泰郎

第二部 無住と文芸活動―説話集編者の周辺
ふたつの鼓動―『沙石集』と『私聚百因縁集』をつなぐもの◆加美甲多
『雑談集』巻五にみえる呪願◆高橋悠介
梶原伝承と尾張万歳◆土屋有里子
無住と南宋代成立典籍・補遺◆小林直樹
無住の和歌陀羅尼観―『沙石集』諸本から変遷をたどる◆平野多恵
「無住と『法華経』、法華経読誦」◆柴佳世乃
プロフィール

土屋有里子(つちや・ゆりこ)
学習院女子大学国際文化交流学部教授。専門は日本中世文学、説話文学。
主な著書に『『沙石集』諸本の成立と展開』(笠間書院、2011年)、『内閣文庫蔵『沙石集』翻刻と研究』(笠間書院、2003年)、『『沙石集』の世界』(あるむ、2022年)などがある。

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