ミシマユキオトセイネンショウコウ

三島由紀夫と青年将校

五・一五から二・二六
鈴木荘一 著
ISBN 978-4-585-22259-0 Cコード 0021
刊行年月 2019年11月 判型・製本 新書判・並製 200 頁
キーワード 日本史,近現代

定価:990円
(本体 900円) ポイント:27pt

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書籍の詳細

三島は維新で滅んだ幕府親藩大名の末裔で、二・二六事件決起将校や特攻隊の霊が憑依したかのように『憂国』『英霊の聲』を書き、四十五歳で自決した。

満州事変が勃発すると陸軍中佐橋本欣五郎が若槻礼次郎首相を暗殺して陸軍政権を樹立しようと十月事件というクーデターを企図したが未遂に終わった。つぎに海軍青年将校が五・一五事件を起こし、海軍大将斎藤実を首相に据えて大海軍の建設を開始した。すると軍艦建造の財源を負担する農民の生活が圧迫され、農村の窮迫を憂いた陸軍青年将校が海軍大将斎藤実ら海軍要人を襲撃する二・二六事件を起こした。

 

 

目次
まえがき

第一章 三島の高祖父永井尚志の無念
宿命の子三島由紀夫
祖母夏子から溺愛される
永井尚志の幕府海軍建設
井伊大老の日米通商条約調印
永井尚志は京都町奉行に任じられる
松平容保と永井尚志の言路洞開
松平容保と永井尚志が足利将軍木像梟首事件を解決
長州藩攘夷派の外国船砲撃
姉小路卿暗殺事件で京都町奉行永井尚志は停職となる
永井尚志がイギリス型議会制度を目指した大政奉還上表文を起草
幕府の滅亡

第二章 憲政の常道という大正デモクラシー
政党政治のスタート 
「憲政の常道」の確立
第一次若槻内閣は軟弱外交と批判され総辞職
内政を重視した田中義一内閣の瓦解
浜口内閣のロンドン海軍軍縮条約と鳩山一郎の統帥権干犯論
ロンドン軍縮条約を不満とした大艦巨砲主義の青年将校藤井斉中尉

第三章 三島が小学校一年のとき、満州事変が起きた
三島由紀夫は学習院初等科に入学
満州事変不拡大方針の若槻礼次郎首相は暗殺の危険にさらされた
満州事変に消極的だった陸軍・皇道派
皇道派・真崎甚三郎参謀次長による満州事変の終息

第四章 青年将校運動の萌芽 
橋本欣五郎中佐の桜会と大川周明
尉官クラスの陸軍青年将校団
尉官クラスの海軍青年将校団
法華僧井上日昭は藤井斉海軍中尉に感化され桜会に入会する
農村指導者橘孝三郎の素顔
農村再興に成功した橘孝三郎の愛郷会
農村を救う唯一の道は農民の国会進出
青森第五連隊の青春
大岸頼好陸軍中尉と元陸軍少尉西田税が郷詩会を企画
橘孝三郎はテロ集団から勧誘された
桜会が郷詩会を組み込んだ
十月革命は未遂に終わり、桜会は解散させられた
井上日召による血盟団事件

第五章 海軍青年将校による五・一五事件
農村指導者橘孝三郎はテロ活動へ大変針
陸軍青年将校は五・一五事件に参加せず
海軍青年将校が五・一五事件を決行
五・一五事件の反響

第六章 海軍内閣のもとで農民の窮乏化が加速
斎藤実内閣・内田康哉外相の満州国承認と国際連盟脱退
海軍軍令部優位と海軍条約派の粛清
岡田啓介海軍内閣の下でロンドン海軍軍縮条約から脱退
海軍増強による農村の窮乏
        
第七章 反戦勢力の皇道派が壊滅した二・二六事件
皇道派の対支不戦論VS統制派の対支一撃論
ナチス・ドイツとの軍事同盟を目指した「永田構想」に反発した青年将校
富国強兵の犠牲になった農村の窮迫
永田鉄山が真崎甚三郎の追い落としを策した陸軍士官学校事件
永田鉄山が一国国防主義の真崎甚三郎教育総監を罷免
相沢中佐が永田鉄山を斬殺
二・二六事件が勃発
昭和天皇の断固鎮圧方針
昭和天皇の厳罰方針
決起将校団は反乱軍か
皇道派が粛清される
わが国における最大の反戦勢力が壊滅
決起将校磯部浅一の主張

第八章 三島由紀夫の自決
戦死を強要された第一師団(東京)の将兵
大岸頼好の死
憂國
英霊の聲
プロフィール

鈴木荘一(すずき・そういち)
近代史研究家。昭和23年生まれ。昭和46年東京大学経済学部卒業後、日本興業銀行にて審査、産業調査、融資、資金業務などに携わる。とくに企業審査、経済・産業調査に詳しく、その的確な分析力には定評がある。平成13年日本興業銀行を退社し、以後歴史研究に専念、「幕末史を見直す会」代表として、現代政治経済と歴史の融合的な研究や執筆活動などを行っている。
主な著書に、『明治維新の正体』(毎日ワンズ)、『日露戦争と日本人』(かんき出版)、『日本征服を狙ったアメリカのオレンジ計画と大正天皇』(かんき出版)、『アメリカの罠に嵌った太平洋戦争』(自由社)、『究極の敗戦利得者日本外務省が隠蔽する 満州建国の真実―軍事の天才石原莞爾の野望と挫折』『日中戦争はスターリンが仕組んだ』『幕末会津藩 松平容保の慟哭』『幕末の天才 徳川慶喜の孤独』『それでも東條英機は太平洋戦争を選んだ』『陸軍の横暴と闘った 西園寺公望の失意』『昭和の宰相 近衛文麿の悲劇』『雪の二・二六 最大の反戦勢力は粛清された』(勉誠出版)など。

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