チノカイタクシャ スギタゲンパク

知の開拓者 杉田玄白

『蘭学事始』とその時代
片桐一男 著
ISBN 978-4-585-22109-8 Cコード 0021
刊行年月 2015年1月 判型・製本 四六判・並製 312 頁
キーワード 伝記,日本史,江戸,近世

定価:2,640円
(本体 2,400円) ポイント:72pt

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書籍の詳細
近代医学草創期における蘭学者たち 挑戦の軌跡を追う

『蘭学事始』は杉田玄白が『解体新書』の原書の入手から翻訳・刊行にいたるまでの苦心談や「蘭学」の創始、前野良沢ら同志と取り組んだ挑戦の実況、蘭学界の動向・推移などを書きつづった回顧録である。
玄白はなぜ「蘭学」という新しい学問を創始したか。いかにして近代西洋医学の道を切り拓いたか。その成果は後世にどのような影響を与えたか。また、『蘭学事始』執筆の動機とは何か。
蘭学発達の道筋、玄白らの知恵と工夫と努力の過程を、玄白自身の言葉を手がかりに、時代状況や蘭学史研究の最新の成果、新たに判明した玄白の記憶の間違い、解明に到った新事実を盛り込んで紹介する。

 

 

目次
第1章 勇気と知恵の書『蘭学事始』と杉田玄白
第2章 『蘭学事始』執筆の目的
第3章 『蘭学事始』『蘭東事始』『和蘭事始』
第4章 鎖国と南蛮流外科・和蘭流外科  
第5章 阿蘭陀通詞とオランダ語学習
第6章 徳川吉宗と野呂元丈・青木昆陽
第7章 前野良沢と一節截とオランダ語
第8章 オランダ文字と後藤梨春・安富寄碩  
第9章 長崎屋訪問と良沢・玄白の目的  
第10章 田沼時代とオランダものの流行
第11章 前野良沢の長崎遊学と通詞のオランダ語
第12章 杉田玄白の『ターヘル・アナトミア』入手  
第13章 「観臓」の出願と「腑分」のしらせ  
第14章 明和八年三月四日、骨ケ原の腑分実見と翻訳決意  
第15章 原書『ターヘル・アナトミア』と著者クルムス
第16章 明和八年三月五日、『ターヘル・アナトミア』との対決  
第17章 翻訳方針、翻訳振り  
第18章 会読の推進―人選の妙・運営の妙  
第19章 成果公開への努力―『解体約図』刊行
第20章 成果公開への努力―『解体新書』出版
第21章 家学と蘭学の確立のために
第22章 同志・門下の人々
第23章 蘭学の維持・発展のために―社会への眼  
第24章 記録者・伝達者としての功績  
第25章 杉田玄白の養生法  
第26章 『蘭学事始』とその時代  

【附論】 『蘭学事始』諸本と長崎家本の意義  
一 長崎家本『蘭東事始』  
二 長崎本の意義  
【附論】 蘭学事始附記  

附録
一 杉田玄白の著作  
二 杉田氏略系図  
三 記念碑・史跡・墓地  
四 『蘭学事始』に関するおもな参考文献  

あとがき
プロフィール

片桐一男(かたぎり・かずお)
1934年(昭和9年)、新潟県に生まれる。
1967年、法政大学大学院人文科学研究科日本史学専攻博士課程単位取得済。現
在、青山学院大学文学部名誉教授。文学博士。洋学史研究会会長。専攻、蘭学
史・洋学史・日蘭文化交渉史。
主な著書に『阿蘭陀通詞の研究』(吉川弘文館・角川源義賞)、『杉田玄白』(吉川弘文館 人物叢書)、『蘭学家老 鷹見泉石の来翰を読む─蘭学編─』(岩波ブックセンター・ゲスナー賞)などがある。

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