ゾウホカイテイ エドノクロスドレッサータチ

増補改訂 江戸の異性装者たち

セクシュアルマイノリティの理解のために
長島淳子 著
ISBN 978-4-585-32033-3 Cコード 1021
刊行年月 2023年12月 判型・製本 四六判・並製 312 頁
キーワード ジェンダー,文化史,日本史,江戸,近世

定価:3,520円
(本体 3,200円) ポイント:96pt

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書籍の詳細
多様な性のかたち

性規範のもとで葛藤・苦悩する人々。
男装を禁止されても止めず遠島に処された女、女装姿で貸金業を営み女に求婚した男、男同士の夫婦、陰間茶屋で男色に従事する美少年たち―。
社会規範からの逸脱の実態を記録した事件史料を読み解く。
第五章として、「セクシュアルマイノリティ研究の現在」の一章を増補し、装いを新たに刊行!

*本書『江戸の異性装者たち』(ISBN:978-4-585-22198-2、2017年11月刊行)の増補改訂版です。

 

 

目次
増補改訂版にあたって はじめに

はじめに
《ヨーロッパの同性愛者への抑圧》
第一章 女性の異性装をめぐって
第一節 たけの最初の罪
竹次郎事たけ/たけの生い立ち/《『藤岡屋日記』と須藤由蔵》/《町火消制度》/《『守貞漫稿』》/〝男が子どもを産んだ〞/男装と盗み―天保三年の事件のあらまし/たけの罪状と処罰/蕎麦屋忠蔵と煮売り商とめの処罰
第二節 たけ、再登場
天保八年の事件のあらまし/たけの判決内容/《手先》/「人倫を乱し候もの」からみえる女性の歴史的位置/これまでのたけの評価と私見
第三節 近世ヨーロッパとの比較
マリア・ファン・アントウェルペンとの出会い/マリアの証言から/たけとマリアの罪状の相違と共通性

第二章 男性の異性装と男色の歴史的位相
第一節 青山千駄ヶ谷、お琴の一件
高利貸のお琴/もう一つの情報
第二節 歌舞伎と男色
出雲のお国の歌舞伎踊り/女歌舞伎から若衆歌舞伎、そして野郎歌舞伎へ/陰間茶屋の様相/京・大坂の若衆屋/男色と女色の対決
第三節 江戸の男色をめぐる諸規制
天保改革と陰間茶屋の衰退/僧侶をめぐる諸規制/江戸時代は男色に寛容だったのか/男色をめぐる事件
第四節 服装規制にみる近代・近世
違式詿違条例/風俗・男女の性に関する条目/異性装の禁止と「羽織芸者」/女性の羽織・半纏(半天)着用禁止令/《日傘の使用》/美しい男たち

第三章 男性カップルたち
第一節 鳶職金五郎と女髪結はつのケース
女髪結の登場/女髪結の処罰規定/実は男だった女髪結
第二節 縫箔職重吉と新内師匠小若のケース
縫箔職人の妻、小若ことわか/《新内節》/わかの容貌と暮らしぶり/《江戸女性の髪形》/女師匠、男弟子をとることの禁

第四章 多様な愛のかたち―レズビアン/シスター
第一節 女性同性愛をめぐる動向
社会学における女性同性愛(レズビアン)研究/近代における女同士の心中
第二節 江戸の女性同性愛
異性装女性、芸者と出奔/江戸時代の心中=相対死とその処罰/仲良し娘の入水事件/湯屋と居酒屋の娘同士の入水事件
第三節 入水事件から愛のかたちを考える
三人娘の入水事件/事件のあらまし/事件後の風聞から

第五章 セクシュアルマイノリティ研究の現在
第一節 出版後の反響と美術館の企画展示
NHKの番組「歴史秘話ヒストリア」/太田記念美術館の企画展/渋谷区立松濤美術館の企画展
第二節 滝沢馬琴の『兎園小説 余録』
馬琴と「耽奇会」・「兎園会」/「兎園会」について
第三節 『兎園小説 余禄』収載の二人の記事
「偽男子」吉五郎/「仮婦人」おかつ/吉五郎・おかつをめぐる馬琴の解釈/小括


おわりに

参考文献
あとがき
増補改訂版あとがき
索引
プロフィール

長島淳子(ながしま・あつこ)
1954年埼玉県生まれ。
早稲田大学大学院文学研究科博士課程後期満期退学。
日本近世史、女性史専攻。博士(文学、早稲田大学、2005年)。
国士舘大学非常勤講師。これまで早稲田大学、千葉大学、上智大学、川村学園女子大学、群馬大学大学院などで勤務。元総合女性史学会代表。
主な著書に『幕藩制社会のジェンダー構造』(校倉書房、2006年)、『江戸の異性装者たち セクシュアルマイノリティの理解のために』(勉誠出版、2017年)、編著『女性労働の日本史 古代から現代まで』(勉誠出版、2019年)、共著『歴史のなかの家族と結婚』(森話社、2011年)、「近世農村の「家」経営と家族労働にみるジェンダー」(『ジェンダー史叢書6 経済と消費社会』(明石書店、2009年)、「日本近世における異性装の特徴とジェンダー」(『歴史のなかの異性装』アジア遊学、勉誠出版、2017年)、「高群逸枝の江戸時代史 詩人と歴史家の狭間で」(『高群逸枝 1894-1964 女性史の開拓者のコスモロジー』、別冊『環』26、藤原書店、2022年)、「多様な性のあった江戸時代」(『「ひと」とはだれか?―身体・セクシュアリティ・暴力』大阪大学出版会、2023年12月出版予定)ほか。

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