イジンノコウヨウマキョウノナカノキンダイ

偉人の効用魔鏡のなかの近代

大橋健二 著
ISBN 978-4-585-04099-6 Cコード
刊行年月 2004年2月 判型・製本 四六判・上製 320 頁
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定価:3,080円
(本体 2,800円) ポイント:84pt

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書籍の詳細

時代と対決して生きた偉人たちの姿は、魔境のごとく現代を映しだし、この時代の根本的な問題を明示し、未来への指針をあたえている!

 

 

目次
はじめに
序章「偉人とは」
 時代の代表者 凡人の手本 内なる偉人 万人に開かれている偉人

第一章 孔子 「人間における関係性の洗練」
 「ホモ・ディスケンス」 自他救済論としての「修己治人」 苦労人の生涯
 「真理は二人から始まる」 人間関係と「距離」 脱近代としての儒教思想
 論語とソロバン 隣人愛の非人間化

第二章 マルクス・アウレリウス 「善人の功罪」
 プラトン「哲人王」 世界の帝王 神谷美恵子と『自省録』 内なる安息地
 哲人王の自戒不 肖の息子と世襲の失敗 必要の「悪」 「善」の偏重という悪徳

第三章 マキアヴェリー 「悪による自己解放」
 マキアヴェリズム 「生」を大胆に肯定 「愛されるよりも恐れられよ」
 善行が招く破滅 善悪基準の価値転換 「悪」による自己解放

第四章 王陽明「内外一致の自他救済論」
 真の自己に生きる「実存哲学」 「自分探し」と変革体験 真情と行為の一致
 「死」の主情的体験 共在者への同情 万物一体のユートピア

第五章 セルバンテス 「嘲笑と同情」
 「狂者」とドン・キホーテ 英雄の前半生と屈辱の後半生
 黄金時代というユートピア 嘲笑される騎士道精神
 敗者復活戦として前近代世界と近代世界の相剋 前近代精神の敗北

第六章 大塩平八郎 「近代の課伐」
 悲哀と嘲笑のドン・キホーテ 天道思想 『坊っちゃん』の敗北
 大塩陽明学 天討の思想 近代の誅伐 天との一体感 先祖としての今川了俊
 徳川幕府と天道思想 わが国の精神的座標軸 かなしみと「聖なる害」

第七章 エマソン 「自己徹底と自己信頼」
 不屈の転職人生|高橋是清 自己信頼の精神 弱さと強さ
 言葉の力・原文の道力|正木ひろし アメリカの王陽明 外観の軽視と誤解の甘受
 アメリカの本居宣長 フロンティア精神と自然への畏敬 エマソンとリンカーン

第八章 エイブラハム・リンカーン 「人間の悲劇と神の許し」
 屈辱の少年時代と父親 苦難・逆境が生む偉人 大統領の暗殺
 ステーツマンとマキアヴェリズム 「人民の政治」 Gilded Ageの到来
 憎悪とアメリカ政治 福沢諭吉と天道思想 「IN GOD WE TRUST」
 神が支配する民主政治

第九章 カール・マルクス 「憎悪と他者否定」
 近代思想の極致 赤貧洗うが如し 巨大都市の非人間性 「個・利」社会の出現
 求心的社会改革論 最終勝利者としての共産主義 マルクスの敗北と誤算
 予言の的中 マルクス主義の存在価値 「人民の政治」という誤り

第十章 ドストエフスキー 「他者否定という罪」
 「出口」から逆に歩いた人 死の恐怖と他者への同情 人間性における罪と罰
 愛の不在と自己喪失 無神論への批判 「実在」としての人間

第十章 ニーチェ 「人間劣化への批判」
 太宰治の苦悩 日々の勇気 「同情」=「感・応」の否定者
 人間の関係性における自己存在 〈近代〉への批判

第十二章 チャーチル 「虫への自負」
 深い安堵感 言葉の人 善という悪徳 非情のマキアヴェリスト
 対立他者への憎悪 「蛍」という個性 自己徹底による自他救済

第十三章 ヘミングウェイ 「Doingの成功とBeingの敗北」
 猟銃自殺という最期 豹の死 「あるべき自己」の再生願望 母親への憎悪
 真の敗北とは 「あるべからざる自己」の清算 復讐される自己

あとがき

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