第一章　初めて商界にわけ入り、成功の夢は砕ける
（一）少年沈万三
（二）初めて知る冷たい世間
（三）朱重八という和尚
（四）淮西の老媽媽
（五）動きはじめた運命

第二章　揚州で商売に成功し、妓楼に売られた女を救う
（一）商売の奥義を悟って
（二）結婚の条件
（三）賢妻と愛妾
（四）「昆山周荘沈」の旗を揚げ
（五）運命の出会い

第三章　色より金の男に、富豪の娘は身を投げる
（一）大きな魚
（二）恐ろしく危ない契約
（三）陸麗娘の決意
（四）怨讐のはじまり
（五）三人の女の愛の渦

第四章　富豪の娘を妾にし、恋敵の怨恨は深まる
（一）密告の危機
（二）双方とも大
（三）「商人」か「小人」か
（四）商界の梟雄
（五）なくてはならない相棒

第五章　陶朱公のごとく、一攫千金の成功を得る
（一）怨みをよそに
（二）雪中の炭
（三）周荘は火宅
（四）関帷の奸計
（五）再び蘇北へ

第六章　情は捨て難く、商も捨て難し
（一）劉家港の望江楼
（二）海外貿易の話　
（三）前金の女
（四）隠れた情義
（五）茂児と旺児

第七章　兵戦と商戦、蘇州に鹿を追う
（一）風雲急なる江南
（二）商戦の軍師を得て
（三）蘇州商界の決戦
（四）麗娘の反逆
（五）自分から去る女

第八章　新しい刀の切れ味、観前街の風雲
（一）兵戦の策略を商戦に
（二）張兄弟の蘇州攻撃
（三）万三と張兄弟
（四）観前街の新商売
（五）新商売の難題

第九章　世間は狭く、官界で仇敵と再会
（一）蘇州を越えて
（二）応天への進出
（三）張士誠と朱元璋の戦い
（四）宿敵の再会
（五）虎口を逃れ

第十章　大音は声なく、大象は形なし
（一）朱元璋と関帷
（二）周荘に隠れて
（三）南洋貿易の糸口
（四）海禁をくぐりぬけ
（五）ついに南洋へ！

第十一章　朱元璋は天下を取り、蘇州の商人に報復する
（一）素琴との出会い
（二）張士誠の死
（三）蘇州人の反感
（四）万三の受難のはじまり
（五）朱元璋のたくらみ

第十二章　夢は破れ、雲は散り、水は流れる
（一）蘇州の富商の強制移住
（二）皇帝の特別の恩
（三）皇帝との築城競争
（四）皮を剥ぎ、筋を抜く
（五）万里地の涯へ

あとがき
小説『巨商沈万三』の面白さ