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古代物部氏と『先代旧事本紀』の謎

安本美典 著
ISBN 978-4-585-05124-4 Cコード
刊行年月 2003年6月 判型・製本 A5判・上製 316 頁
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定価:3,080円
(本体 2,800円) ポイント:84pt

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書籍の詳細

『先代旧事本紀』の真実
はじめて明らかにされた編纂者と成立年代!

編纂者は明法博士の興原敏久、成立年代は西暦827年〜829年前後だ!

 

 

目次
はじめに
『先代旧事本紀』の編纂者と成立年代/銅鐸と物部氏/庄内式土器と物部氏

プロローグ ふしぎな書物『先代旧事本紀』
●『先代旧事本紀』には、「推古朝遺文」がふくまれている!!●
『先代旧事本紀』は、平安時代の初期には存在していた/捏造本『旧事本紀大成経』/『上宮聖徳法王帝説』という文献/『上宮聖徳法王帝説』の「用字・用語」の研究/『上宮聖徳法王帝説』と『先代旧事本紀』/地名「をはり」/「すくね」の表記/「加賀の国造」の記事/「むざし(武蔵)の国」について/「やましろ」の表記/地名「はりま」/地名「つくし」/「こ」を「古」で記す/『古事記』の「古」と「子」/『先代旧事本紀』で、「古」を多用している箇所/『上宮聖徳法王帝説』『上宮記』に近い用字法/「巷宜物部」の「巷」は、推古朝の用字だ/三文字や一文字の国名/あいおぎなう『新撰姓氏録』と『先代旧事本紀』の記事/物部氏は、古代最有力の氏族であった/おびただしい皇妃伝承と最高執政官伝承/諸氏の見解/プロローグのまとめ

第1章 『先代旧事本紀』は、いつ、だれが編纂したか?
●成立年代は、八二〇年代で、最終編纂者は、明法博士の興原敏久であろう●
1 『先代旧事本紀』の成立年代と編纂者
『新撰姓氏録』と『先代旧事本紀』は、どちらが先に成立したか/『令集解』の「穴云」の成立年代からは?/編纂者は、明法博士の興原敏久であろう/現代人の感覚でみてはいけない/興原敏久は、なぜ、編纂者名を記さなかったか/参考1/参考2
2 『先代旧事本紀』の編纂者の実力−本居宣長の解釈を、一蹴している箇所がある
丹念巧妙な抄出連綴/「殿の騰戸」とはなにか/「騰」の字の使用例/筑紫の島の四つの国の名/『先代旧事本紀』は、『古事記』の古い文を伝えているか/『先代旧事本紀』の記事と、吉野ケ里遺跡の巨大墳丘墓/『先代旧事本紀』は、出典の語句を尊重しながら、わかりやすくなっている
3 『先代旧事本紀』の編纂者は、『新撰姓氏録』に、敵愾心をもっていた!?
『新撰姓氏録』に異をとなえる『先代旧事本紀』/「足尼」の例/「足尼」以外の例

第2章 饒速日の尊の降臨東遷伝承
●神武天皇よりさきに、物部氏の祖先が、畿内に天下った●
1 『古事記』『日本書紀』『先代旧事本紀』は語る
『古事記』『日本書紀』の物部氏伝承/『先代旧事本紀』の物部氏伝承/饒速日の尊は、瓊瓊杵の尊と兄弟か
2 古代のヤマト
大和は、大国主の命の勢力圏にはいっていた/大国主の神の宮殿/地名ヤマトの源/大和の国を造成した大物主の神(大国主の神)/邪馬台国時代の奈良県は、辺鄙な田舎であった
3 饒速日の尊は、どこに天下ったか
哮峰=北河内郡説/哮峰=南河内郡説/二つの説の検討/「イカルガノミネ」か「タケルノミネ」か/饒速日の命の墓
4 饒速日の尊とともに天下った諸氏族
遠賀川流域の鞍手郡の物部/嶋門の物部/筑紫の聞物部/「登美」は、九州からもっていった地名?/『新撰姓氏録』の天下り記事/鳥越憲三郎氏の考察/古代史研究家、堀田満氏の整理/対馬の県主の伝承/県・県主の分布/猪名部氏と、「伊奈」という地名/征討伝承のない国々/大岩山古墳群/大岩山の地の歴史/宇摩志麻治の命の墓の地での伝承/尾張氏は、饒速日の尊系である

第3章 銅鐸と饒速日の尊系氏族
●「終末期銅鐸」は、饒速日の尊系の人々が、製作し、使用した●
1 時代別にみた銅鐸の出土地
田中巽の重要な指摘/「初期・最盛期銅鐸」と「終末期銅鐸」との分布のズレ/終末期銅鐸の使用目的/物部氏は、「静岡県」に強い地盤をもっていた/「愛知県」も、饒速日の命系の人々の地盤/「滋賀県」も、饒速日の命の影響下にあった/「和歌山県」も、饒速日の命の影響下にあった/「大阪府」も、饒速日の命の影響下にあった/饒速日王国の支配外の地域/「島根県(出雲の国)」の国造/「鳥取県(伯耆の国・因幡の国)」の国造/「兵庫県(播磨の国)」の国造/「徳島県」の国造/「香川県」の国造/文献の記述と銅鐸の分布とが対応している/補記1/補記2
2 銅鐸の年代
この節のはじめに/佐原眞、春成秀爾氏の銅鐸年代論/考古学者、森浩一氏と石野博信氏の見解/最末期の銅鐸は、邪馬台国時代のもの/墓の形式の変遷/鉛の同位体比研究/年代推定、三つの基準データ1―細形銅剣/年代推定、三つの基準データ2―九州の平原遺跡出土の四〇面の鏡/年代推定、三つの基準データ3―小形[人+方]製鏡第ii型と三角縁神獣鏡/近畿式・三遠式銅鐸は、邪馬台国時代のもの

第4章 庄内式土器・銅鏡・鉄と饒速日の命伝承
●九州から畿内へ、倭人は、饒速日の命勢力として移動した●
1 庄内式土器と饒速日の命伝承
庄内式土器の出土する場所/県の分布との奇妙な一致/畿内の庄内式土器の出土地は、物部氏の根拠地であった/奈良県と大阪府の共通地名/庄内式土器をもたらした人たち
2 鏡と鉄と饒速日の命伝承
卑弥呼がもらった鏡/倭人は「鉄の鏃」を用いる

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