アジア遊学160
キッタンリョウトジュウカラジュウニセイキノトウブユーラシア

契丹[遼]と10~12世紀の東部ユーラシア

荒川慎太郎・澤本光弘・高井康典行・渡辺健哉 編
ISBN 978-4-585-22626-0 Cコード 1320
刊行年月 2013年1月 判型・製本 A5判・並製 288 頁
キーワード 中国,アジア

定価:3,080円
(本体 2,800円) ポイント:84pt

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書籍の詳細
《東部ユーラシア》を契丹[遼]から考える

10世紀初頭、唐滅亡の混乱のなかで建国された草原の王朝「契丹」。
果たしてその実態はいかなるものであったのか―
近年の石刻資料・出土資料の整備、文字資料解読の進歩により、飛躍的に進展しつつある契丹[遼]研究の到達点を示し、国際関係、社会・文化、新出資料、そして後代への影響という四本の柱から契丹[遼]の世界史上の位置づけを多角的に解明する。

 

 

目次
契丹史年表

一 契丹[遼]とその国際関係
十~十二世紀における契丹の興亡とユーラシア東方の国際情勢 古松崇志
世界史の中で契丹[遼]史をいかに位置づけるか―いくつかの可能性 高井康典行
五代十国史と契丹 山崎覚士
セン淵の盟について―盟約から見る契丹と北宋の関係 毛利英介
契丹とウイグルの関係 松井太
【コラム】契丹と渤海との関係 赤羽目匡由

二 契丹[遼]の社会・文化
遼帝国の出版文化と東アジア 磯部彰
草海の仏教王国―石刻・仏塔文物に見る契丹の仏教 藤原崇人
『神宗皇帝即位使遼語録』の概要と成立過程 澤本光弘
契丹国(遼朝)の北面官制とその歴史的変質 武田和哉
遼中京大定府の成立―管轄下の州県城から 高橋学而
【コラム】日本に伝わる契丹の陶磁器―契丹陶磁器の研究史的観点を中心にして 弓場紀知
【コラム】遼南京の仏教文化雑記 阿南ヴァージニア史代・渡辺健哉

三 契丹研究の新展開―近年の新出資料から
最新の研究からわかる契丹文字の姿 武内康則
中国新出の契丹文字資料 呉英喆
ロシア所蔵契丹大字写本冊子について 荒川慎太郎
【コラム】契丹文字の新資料 松川節
ゴビ砂漠における契丹系文化の遺跡 白石典之
チントルゴイ城址と周辺遺跡 臼杵勲
遼祖陵陵園遺跡の考古学的新発見と研究 董新林
【展覧会記録】契丹の遺宝は何を伝えるか―草原の王朝契丹展の現場から 市元塁

四 その後の契丹[遼]
遼の〝漢人〟遺民のその後 飯山知保
明代小説にみえる契丹―楊家将演義から 松浦智子
清人のみた契丹 水盛涼一
【コラム】フランス・シノロジーと契丹 河内春人
【博物館紹介】徳島県立鳥居龍蔵記念博物館 石尾和仁
プロフィール

荒川慎太郎(あらかわ・しんたろう)
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所准教授。専門は西夏語、疑似漢字。
著書・論文に『日本蔵西夏文文献』上下冊(武宇林と共編、中華書局、2011年)、Словарь tангуtского (Си Ся) языка(E・I・クチャーノフ主編・荒川慎太郎副編『西夏語辞典』京都大学文学部、2006年)、「プリンストン大学所蔵西夏文仏典断片(Peald)について」Journal of Asian and African Studies 83(2012)などがある。

澤本光弘(さわもと・みつひろ)
会社員・早稲田大学朝鮮文化研究所招聘研究員。専門は渤海史・契丹史。
論文に「契丹の西北方面への進出状況と契丹大字研究史―「耶律延寧墓誌」をてがかりに」(『遼金西夏研究の現在(3)』東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、2010年)、「契丹の旧渤海領統治と東丹国の構造―耶律羽之墓誌をてがかりに」(『史学雑誌』117編6号、2008年6月)、著書に『草原の王朝・契丹国〈遼朝〉の遺跡と文物』(武田和哉・高橋学而・藤原崇人と共著、勉誠出版、2006年)などがある。

高井康典行(たかい・やすゆき)
早稲田大学文学学術院・日本大学文理学部非常勤講師。専門は契丹[遼]史。論文に「十一世紀における女真の動向―東女真の入寇を中心として」(『アジア遊学』70、2004年)、「遼朝における士人層の動向―武定軍を中心として」(宋代史研究会編『『宋代中国』の相対化』汲古書院、2009年)などがある。

渡辺健哉(わたなべ・けんや)
東北大学大学院文学研究科専門研究員。専門は元代都市史。
論文に「内藤湖南によるモンゴル時代に関する史料の蒐集」(『中国―社会と文化』25号、2010年)、「元の大都における仏寺・道観の建設」(『集刊東洋学』105号、2011年)、「金の中都から元の大都へ」(『中国―社会と文化』27号、2012年)などがある。

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