モリオウガイマイヒメヲヨム

森鷗外『舞姫』を読む

清田文武 編
ISBN 978-4-585-29053-7 Cコード 1095
刊行年月 2013年4月 判型・製本 A5判・上製 384 頁
キーワード 評論,近代

定価:6,600円
(本体 6,000円) ポイント:180pt

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書籍の詳細
『舞姫』研究の到達点を示す

日本の近代化とのかかわり、西欧文化からの衝撃、芸術における形式の破壊と創造など幅広い問題を含む『舞姫』。
本書では、鷗外の執筆行為そのものに先駆性を見出し、その特色を探るとともに、西欧文化との接触が主題や文体の選択にどのような手掛かりを与えたのかを考察する。
さらに、執筆の動機、事実と創作の境界、文学史的位置付け、現代語訳の意義など、多角的な読みのための方法論・新視点を紹介する。

 

 

目次
序 言 清田文武

第一章 『舞姫』の形成―人物造型を中心に―
『舞姫』はなぜ書かれたか? 坂井健
〈エクソフォニー小説〉としての『舞姫』―実体験の〈翻訳〉という創作― 林正子
『舞姫』と戯曲『椿姫』独訳Die Cameliendame 仁平道明
『舞姫』におけるエリスの形象 清田文武

第二章 『舞姫』の表現―その内的しくみ―
鷗外『舞姫』論―記憶を語る語り・〈想〉の表象― 小川康子
『舞姫』における心的なるもの 井上優
それでも〈日記〉を記すこと―『舞姫』の手記の実態について― 出原隆俊
否定の論理―森鷗外『舞姫』論― 小林幸夫
灰色の頬―森鷗外『舞姫』と謡曲的表現― 目野由希

第三章 『舞姫』の問題点と新視点―留学体験との関係―
『舞姫』の悲劇 渡辺善雄
文学の自立―鷗外の活路― 古郡康人
二十年後の海外通信員―『舞姫』と『椋鳥通信』― 金子幸代
ベルリンの地誌から見た『舞姫』の描写 六草いちか
「まことの我」という意匠―『舞姫』から見た明治四十年代の鷗外文学― 野村幸一郎

第四章 『舞姫』の位相―『舞姫』以前・以後の文学―
『舞姫』の位相―表現・文体・文学的系譜の視点から― 島内裕子
『舞姫』の恐るべき先駆性―近代文学研究状況批判/〈語り手〉の語らない自己表出― 田中実
森鷗外『舞姫』の現代語訳について 三村孝志
プロフィール

清田文武(せいた・ふみたけ)
1939年生まれ。新潟大学名誉教授。中国・東北師範大学客座教授。日本近代文学専攻。
著書に『鷗外文芸の研究中年期篇』(有精堂出版、1991年)、 『鷗外文芸の研究 青年期篇』(同上)、『鷗外と漱石との世界』(新潟大学放送公開講座実行委員会、1992年)、『鷗外文芸とその影響』(翰林書房、2007年)、『近代作家の構想と表現 漱石・未明から安吾・茨木のり子まで』(翰林書房、2009年)などがある。

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