リュウキュウ コウサスルレキシトブンカ

琉球 交叉する歴史と文化

島村幸一 編
ISBN 978-4-585-22078-7 Cコード 3021
刊行年月 2014年1月 判型・製本 A5判・上製 456 頁
キーワード 交流史,古典,アジア,日本史,江戸,戦国時代,室町,近世,中世

定価:8,800円
(本体 8,000円) ポイント:240pt

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書籍の詳細
「琉球」をかたちづくる歴史と言説を探る

中国と日本の境界領域に広がり、東南アジアや朝鮮との通交もあった「琉球」。
これら異文化の結節点として、そして「古琉球」「近世琉球」「沖縄」という歴史意識の交叉する場として、「琉球」はある。
冊封体制(中国)と幕藩体制(日本)という二つの制度の狭間で、独自な「琉球」を自覚し、意識的にかたちづくる時代であった「近世琉球」において、どのように自らの歴史を叙述していったのか。異文化が交叉する場において、どのような選択が行われ、「琉球」なるものがつくられていったのか。
歴史学、文学・芸能等の文化学の諸分野からその形成と展開を探る。

 

 

目次
まえがき
目次

第一部 歴史叙述とウタの交錯
王府の歴史記述―『中山世鑑』と『中山世譜』― 田名真之
王府の歴史記述―『球陽』と『遺老説伝』― 木村淳也
「琉球処分」の歴史叙述―『琉球見聞録』をめぐって― 樋口大祐
琉球史の南北―喜界島城久遺跡群から見た琉球 高梨 修
琉球史の南北―宮古・八重山の遺跡から見た琉球― 久貝弥嗣
『宮古島旧記』(雍正五年本)に記されたアヤグ―「地方旧記」の歌謡世界― 島村幸一
宮古島狩俣の神歌―タービとフサの位相 本永清
奄美のウワサ歌―もう一つの歌世界― 酒井正子

第二部 琉球・明清・ヤマトの交流
琉球における書物受容と教養 高津孝
中国の文献に記された「琉球」 松浦章
種子島氏と琉球 屋良健一郎
琉球人の詠んだ中国―『雪堂燕遊艸』を中心に― 上里賢一
琉球とヤマトの交流―琉球船、土佐国漂着の歌謡資料を中心に― 島村幸一
〈侵略文学〉としての〈薩琉軍記〉と為朝神話 小峯和明
東京琉球館役所の変遷―尚家文書を用いて― 深澤秋人

第三部 琉球文化の諸相-儀礼・芸能・信仰
首里グスクの御嶽と祭場 伊從 勉
『おもろさうし』と仮名書き碑文記 島村幸一
唐・大和の御取合と若衆−琉球における躍童子と楽童子 板谷徹 
〈日記〉史料からみる渡唐儀礼 綱川恵美
「手」から「唐手」へ 嘉手苅徹
近世琉球仏教の二宗体制について 知名定寛
補陀落僧の琉球―日秀上人を中心に― 根井浄
奄美のクチ/呪詞・修験者の痕跡―群青のミッシングリンク 高橋一郎

附録 探る・調べる・考える 200の琉球資料…島村幸一・屋良健一郎[編]

あとがき
執筆者一覧
プロフィール

島村幸一(しまむら・こういち)
1954年生まれ。立正大学文学部教授。専門は琉球文学。琉球歌謡、琉球の「歴史」叙述を中心に研究。
著書に『『おもろさうし』と琉球文学』(笠間書院、2010年)、『コレクション日本歌人選 おもろさうし』(笠間書院、2012年)がある。

書評・関連書等

「沖縄タイムス」(2014年3月29日)にて、本書の書評が掲載されました。

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