現代ドイツへの視座―歴史学的アプローチ1
ソウキノブンカトグローバルシミンシャカイ

想起の文化とグローバル市民社会

石田勇治・福永美和子 編
ISBN 978-4-585-22512-6 Cコード 1022
刊行年月 2016年8月 判型・製本 A5判・上製 400 頁
キーワード 戦争,現代社会,世界史,近現代

定価:5,720円
(本体 5,200円) ポイント:156pt

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書籍の詳細
「想起の文化」とは何か?記憶、償い、和解のメカニズムを考察する

ナチ時代の国家的メガ犯罪を忘れず、その反省の上に民主的社会を築こうという姿勢は、統一後のドイツの公的規範をなしている。現代ドイツの政治文化の核心をなす「想起の文化」と和解にむけた多様な取り組みを検討する。

 

 

目次
序文にかえて 石田勇治・福永美和子

第1部 想起の文化
第一章 想起なき記念?―ナチズム犠牲者のためのドイツの記念の地をめぐって トーマス・ルッツ
第二章 公的資源としての歴史―想起・世代・集合的アイデンティティ ウルリケ・ユーライト
第三章 東ドイツの想起政策と統一後の変容―ブーヘンヴァルト強制収容所をめぐって 福永美和子
第四章 統一ドイツにおける東ドイツ独裁の過去の検証 福永美和子
第五章 オーストリア国民の記憶文化―反ファシズムから戦争の犠牲者へ 水野博子
第六章 占領期フランス表象の現在―協力・抵抗・沈黙から「適応」・人道に対する罪へ 剣持久木
第七章 植民地支配の記憶―想起と抑圧そして忘却 磯部裕幸

第2部 和解と平和を求めて
第八章 ポーランドとの和解に向けて―「追放」の長い影 川喜田敦子
第九章 旧交戦国との歴史対話と越境する歴史認識 川喜田敦子
第十章 相違と錯綜―独仏関係はヨーロッパ建設の原動力か? ライナー・フーデマン
第十一章 ドレスデン空襲の公的記憶の変遷と拡がり―コヴェントリーとの関係を中心に 柳原伸洋
第十二章 「つぐない」のレアールポリティーク―ドイツの補償とイスラエル 武井彩佳

第3部 グローバル市民社会に向けて
第十三章 「償いの印」―特殊な方法での補償に向けたプロテスタントの市民運動 クリスティアン・シュタファ
第十四章 「窓拭き」と「聴く耳」―「行動・償いの印・平和奉仕」とインフォーマルな和解 小田博志
第十五章 平和運動―東西対立を越えて 竹本真希子
第十六章 第二次世界大戦後のドイツと国際刑事司法―懐疑的姿勢から積極的な推進へ 福永美和子
第十七章 ヨーロッパと世界における資源としてのドイツ語―ドイツ語普及政策の歴史から 川村陶子
第十八章 ヨーロッパ市民社会はあるか ハルトムート・ケルブレ
プロフィール

石田勇治(いしだ・ゆうじ)
東京大学大学院総合文化研究科(地域文化研究専攻)教授。専門分野はドイツ近現代史、ジェノサイド研究。
主な著書に『ヒトラーとナチ・ドイツ』(講談社現代新書)、『過去の克服―ヒトラー後のドイツ(新装版)』(白水社)、『20世紀ドイツ史』(白水社)、共編著に『ジェノサイドと現代世界』(勉誠出版)など。

福永美和子(ふくなが・みわこ)
東京大学大学院総合文化研究科博士課程・単位取得満期退学。同研究科特任研究員。専門分野はドイツ現代史。
共著に『図説 ドイツの歴史』(石田勇治編著、河出書房新社、2007年)、論文に「ICC創設をめぐるドイツの外交・司法政策」(『ドイツ研究』第42号、2008年)など。

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